デブリ格納容器外に 原発事故後初、回収へ5日に線量測定
東京電力福島第1原発2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出しを巡り、東電は2日、少量のデブリをつかんでいる取り出し装置を原子炉格納容器の外に引き抜き、装置の収納箱に入れたと発表した。デブリが格納容器外に出たのは原発事故後初めて。 装置がつかんだデブリは小石状で、大きさは5ミリ程度。現在は、金属製で気密性が高い収納箱の中にある状態だ。東電は5日に放射線量を測定し、線量が基準値を下回れば回収に向けて作業を進める。回収できれば原発事故後初となる。 東電は2日、格納容器側面の貫通部から装置を引き抜く作業を続け、装置の押し込みに使ったパイプ2本を外すなどして約3メートル動かし、午前9時50分に収納箱に入れた。その後、格納容器から出る放射性物質を遮るため、貫通部手前に設置した「隔離弁」を閉じた。 作業員の被ばくを抑えるため、デブリから20センチ離れた位置で放射線量が毎時24ミリシーベルトを超えなければ、デブリを専用の容器に入れて収納箱から取り出す準備に移る。同24ミリシーベルトを超えた場合は格納容器内に戻し、改めて別のデブリを採取する。 試験的取り出しは8月22日に始まり、2度の中断を経て10月28日に再開した。
福島民友新聞