<独自>大阪市の路上喫煙全面禁止は来年1月27日から 万博控え規制を強化
大阪市は市内全域での路上喫煙の禁止を柱とした改正条例の施行日を来年1月27日とすることを決めた。市関係者への取材で7日、分かった。条例の施行までに、少なくとも140カ所の指定喫煙所を確保できる見通しとなったことも判明。来年4月に開幕する2025年大阪・関西万博に向け、受動喫煙対策を進める。 【表でみる】大阪市路上喫煙全面禁止めぐり異例の賛否拮抗 噴出した反対派の切実事情 市は平成19年に「市路上喫煙の防止に関する条例」を施行。受動喫煙防止や環境美化のため、繁華街などの一部を路上喫煙禁止地区に指定した。 万博では国内外から来場者が多数訪れることを見越し、禁止地区を市内全域の路上に拡大するため、今年3月に条例が改正されていた。 市は分煙環境を整備するため、条例の施行までに少なくとも140カ所の指定喫煙所を確保する見通しだが、業界団体からは喫煙所をさらに増やすよう求める声も上がる。 市の改正条例の施行から約2カ月後の来年4月1日には、受動喫煙の防止を定めた府条例に基づき、店内喫煙が禁止される飲食店の客席面積が、現在の100平方メートル超から30平方メートル超に引き下げられる。 喫煙が規制される飲食店でも、分煙スペースでの喫煙は可能だが、設置には多額の費用を要するため、規制を強化することによって店外での路上喫煙が増えることが懸念されている。 市商店会総連盟が、調査会社に依頼して2年前にまとめた試算によると、市内全域で路上喫煙を禁止した場合、計367カ所の喫煙所が必要になると指摘。飲食店で構成する業界団体は昨年11月、市議会議長に対し、喫煙所の整備数を増やすよう求めていた。(山本考志)