米当局、サブスクサービス解約の「ワンクリック化」を企業に義務づけへ
米連邦取引委員会(FTC)は、消費者がサブスクリプションサービスや会員登録をより簡単にキャンセルできるようにする新たなルールを近日中に施行する予定だと10月16日に発表した。このルールは、キャンセル手続きを複雑にしている企業を取り締まるもので、そのような行為を続ける企業に民事罰を科す可能性を示唆している。 「click-to-cancel(クリックでキャンセル)」と呼ばれるこの規則は、消費者がサブスクリプションサービスを解約するプロセスを、「登録時と同じくらい簡単にする」ことを企業に求めている。この規則は、連邦官報に掲載されてから6カ月後に発効する予定という。 FTCは16日にこの規則を賛成3票、反対2票で承認した。 この規則は企業に、サービスから退会したい消費者のために「すべての定期的な課金を即座に停止するための簡単なキャンセル手続き」を提供するよう求めている。FTCは、この規則に違反した企業に民事罰や消費者への補償を求めることができる。 FTCはまた、企業が「ネガティブ・オプション」を利用して商品やサービスを販売する際に、事実を誤って伝えてはならないとしている。ネガティブ・オプションとは、消費者が特定のサービスを明示的に拒否しない限り、それを受け入れたとみなす仕組みのことで、例えば、「1週間の無料トライアル」に同意して入会し、所定の期限までに退会しない場合に課金を行う仕組みをこう呼んでいる。 FTCは、アドビやアマゾンのような企業が、サブスクリプションサービスのキャンセルをしにくくしているとして追及してきた。特にアマゾンは、消費者の同意なくAmazonプライムに登録させ、サブスクリプションサービスをキャンセルするのを難しくしていると非難された。 また、一部のフィットネスクラブも、キャンセルが難しすぎるという批判を受けている。大手ジムチェーンのPlanet Fitnessは、FTCが昨年「click-to-cancel」ルールについての意見を募集した際に繰り返し批判された企業の1つで、顧客は同社の会員キャンセルポリシーに不満を訴えていた。このジムの場合、キャンセルには直接の来店や書面での通知、またはメールが必要とされていた。
Antonio Pequeño IV