大谷翔平所属のドジャースってどんなチーム? 2024年の戦力を徹底解説(打者編)
テオスカー・ヘルナンデス
ドジャース打線を見ると、あることに気が付く。左打者が多いのだ。レギュラー格の選手では大谷、フレディ・フリーマン、マックス・マンシー、ジェームズ・アウトマン、ジェイソン・ヘイワード、ギャビン・ラックスが左打者なのだ。 大谷やフリーマンは左右関係なく打つので問題ないが、マンシーやアウトマンは左右で成績に大きな差がある。昨季対左投手のOPSが.924だったJ.D マルティネス(現在もFA)が退団したことを踏まえると、できれば補強しておきたい。そこで白羽の矢が立ったのが、シアトル・マリナーズからFAとなっていたテオスカー・ヘルナンデスだ。 ヘルナンデスは、過去3年間で対左投手のOPSが .977と、350打席以上を記録した選手の中では、MLB4位の好成績だ。2023年は打率.258、26本塁打、OPS.741と若干の成績ダウンとなったが、打球速度やバレル率などの数値は依然としてエリートレベルで、バウンスバックが期待できる。また、将来の大型契約をFA市場で勝ち取ることを見越しての1年契約を結んだので、本人もやる気に満ち溢れているはずだ。 ドジャースでは主にレフトのレギュラー、左投手が登板する試合ではライトのヘイワードと交代での起用がメインとなるだろう。トロント・ブルージェイズ時代にはクラブハウスの盛り上げ役だったこともあり、プレー以外でも良いテイストを加えてくれるだろう。
ギャビン・ラックス
ドジャースの補強リストを見ても、ギャビン・ラックスの名前はない。それもそのはず。ラックスはドジャースにドラフトされドジャースのファームシステムで育ち、メジャーデビューした。しかしラックスは、昨季のスプリングトレーニングのゲーム中において、送球をよけようとした際に転倒し、前十字靭帯を断裂する大けがを負った。このけがが理由で2023年シーズンを全休。実質的に24年の新戦力として考え、今オフの補強に含ませてもらった。 ラックスは、19年にデビュー。当時はMLB70位、ドジャース内4位のプロスペクトだった。本職はショートだったが、21年まではコーリー・シーガー(現:レンジャーズ)、22年にはトレイ・ターナー(現:フィリーズ)がいたため、セカンド・外野などのポジションでのプレーを余儀なくされた。 そして2人がFAで退団し、23年のショートはラックスか、と思われた矢先のけがだった。直後の会見でラックスは「ドジャースのショートになることは全野球選手の夢だ」と話し、悔しさを露わにしていた。 再起を図る24年シーズンは、ショートがラックス、セカンドがムーキー・ベッツの予定だったが、スプリングトレーニングでラックスの送球難が想定より酷く、双方のコンバートが決まった。ベッツの負担軽減などの面からも、ラックスには早く送球難を克服してほしいところだ。 打撃面では22年に打率.276、6本塁打、OPS.745とプチブレークを果たしたが、元トッププロスペクトとしてはパワー面での向上が欲しいところ。22~23年にかけて肉体改造にも取り組んだようで、明らかな違いが見て取れる。今季は大きな飛躍を期待したい。
ベースボールチャンネル編集部