ラップ理論の第一人者・上田琢巳さんが死去 83歳 「西の仕掛人」「机上に勝算あり」で数々の大レースを的中
根っからの競馬人
予想スタッフが無印。そんな大荒れしたGⅠの時、上田さんだけが当たっている。そんなことがよくあった。他部署の人間からも「上田さんって、やっぱりすごいよね」という声を聞き、上田さんの存在の大きさ、そしてレース部の一員として誇らしく思ったものだ。上田さんが原稿を書けなくなったと聞かされた週、東京の部長に報告したら「参ったな、先週のGⅠ当たったの上田さんだけだったんだよ」と聞いて、当時のことを思い出した。 新型コロナウイルスが収まりつつあるころ、上田さんから旧知の仲間を集めて「軽く飲みに行こう」と何度か電話があった。さすがに上田さんも年齢なので、外に出て、もし何かあったら大変だからと、延ばし延ばしにしてしまった。結局、それができずに終わってしまった。奥さんから後々「あの人は皆さんと飲みに行くのをすごく楽しみにしていたんですよ」と聞いて、無理してでも飲み会をしておけば良かったかな、とそれだけを後悔している。 最後に顔を出した時も、有馬記念の話になると声のトーンが高くなった。根っからの競馬人だったと思う。これからは盟友の清水成駿さんと空の上で一杯やってください。今まで東スポ競馬を支えてくれて、ありがとうございました。(大阪支社・レース部副部長・高岡功)
東スポ競馬編集部