子ども時代の憧れを仕事に 「ステンドグラス」に生かすのは“自身のルーツ” 異色のコラボ作品にも挑戦【秋田発】
羽後町出身の菊地さんが作る作品
菊地さんがステンドグラスを作り始めたのは8年前。結婚し、新しく建てる家に飾ろうとステンドグラスを探していた時に、あるガラス工房と出会ったことがきっかけになった。 ステンドグラス作家・菊地真梨奈さん: せっかくだからステンドグラスを作ってみたらとアドバイスをもらい、作ったのがきっかけ やがて工房の教室に通うようになり、2018年に仕事を辞め、本格的にステンドグラスの修業を始めた。 「ガラスカットの力加減や、何ミリそろえなければいけないなど…大変だったけれども、ずっと楽しい思いで作っていた」と振り返る。 3年後、ステンドグラス作家として活動を始め、秋田をモチーフにした作品に力を入れてきた。 羽後町の「西馬音内盆踊り」を題材にした作品は、かがり火を表すオレンジ、夜空を表す深い青色、そして輝く月の光が差す中で、妖艶に舞う踊り子の姿が印象的だ。 衣装の部分には、ガラスだけでなく本物の端縫い(はぬい)衣装の素材が取り入れられていて、羽後町で育った菊地さんのこだわりが垣間見える。 そして、今にも飛び出してきそうな大迫力の「なまはげ」の作品も。風になびく髪や雄たけびが聞こえてきそうな険しい表情、あふれ出る躍動感が表現されている。
SDGsを意識するなど様々な挑戦
現在制作中の立体的な秋田犬のステンドグラスは、他の作品を作った際に余ったガラスも活用していて、SDGsを意識している。いつか展示会で完成版を見られる日が来るかもしれない。 最近は、ビジネス仲間からアドバイスをもらい、ステンドグラスと仏壇のコラボレーションに挑戦。仏具屋と協力して、狭いスペースにインテリアとしても置くことができる新しい仏壇が誕生した。 ステンドグラス作家・菊地真梨奈さん: 故人の思いや仏壇を必要としている人たちの心の支えになるようなもの、優しい感じに作っている 「小さい頃に思っていたことを仕事にすることの素晴らしさをすごく感じている」と語る菊地さん。今後は、なかなか作れなかった秋田の作品を増やしていきたいという。 子どもの頃に抱いたステンドグラスへの思いを失うことなく、菊地さんは秋田の工房で新たな作品作りに挑戦し続けている。 (秋田テレビ)
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