昨年4勝止まりも…来オフにFAで争奪戦可能性の「中日の右腕」は
入団後、Aクラスは1度のみ
総合力の高さは誰もが認める。21年に11勝6敗、防御率2.20で最優秀防御率、最多奪三振(168)のタイトルを獲得。投球回数172イニングはリーグ最多だった。22、23年は打線の援護に恵まれず2ケタ勝利に届かなかったが、いずれも150ニングを超えている。だが、自分の成績が良ければ満足するわけではない。低迷期が続き、選手会長に就任した23年。キャンプ前日の全体ミーティングで、熱い思いをナインに明かして話題になった。柳は週刊ベースボールのインタビューで、その真意を以下のように語っていた。 「ずっとチームが低迷している中で、こうやって毎年、1月31日を迎えて全員で集まって『明日から1年頑張ろう』と言っている。でも結局、シーズンが終わってみればBクラスだったり、最下位だったり。もうこんな状況を打破したい、しなければならないということですね。何とか全員で弱いドラゴンズを終わりにしようということを言わせてもらいました。こんな状況なのに、それでも応援してくれる大勢のファンがいる。でもそれは当たり前のことじゃないと」 「高橋周平さん、木下拓哉さん、具体的な個人名も挙げて、僕も含めた中堅どころが頑張っていきましょうと。そこが中心になって頑張っていかないと何も変わっていかない。若手に対しても、試合に出ているような選手はチームのみんなから信頼を得られるように、野球はもちろんのこと、私生活や態度でもしっかりやってもらいたいと話しました」
順調に行けばFA権取得
柳は一軍で順調に先発を回れば、今シーズン中に国内FA権を取得する。他球団の関係者は「投手としての能力が高いだけでなく、リーダーシップがあり若手のお手本になる。権利を行使すれば、複数球団の争奪戦になるでしょう」と高い評価を口にする。 もちろん、今の柳にFA権のことは頭の片隅にもないだろう。中日に17年に入団以来リーグ優勝を味わった経験がなく、Aクラスに進出したのも20年の1度のみ。応援してくれるファンのためにも、優勝争いの緊張感を味わいたい。巻き返しに向け、重要なキーマンであることは間違いない。 写真=BBM
週刊ベースボール