優勝しメダルを手に笑顔を見せる吉田（左）、森田組（撮影・前田充）

＜フィギュアスケート：全日本選手権＞◇最終日◇22日◇大阪・東和薬品RACTABドーム◇アイスダンス・フリーダンス（FD） 　リズムダンス（RD）首位の愛称「うたまさ」こと吉田唄菜（21）森田真沙也（21）組が、2度目の出場で初優勝を飾った。 　フリーダンス（FD）1位の104・37点で、合計176・21点。森田は「素直にうれしい」と喜んだ。日本スケート連盟の選考基準を各項目で満たし、来年3月の世界選手権（米ボストン）の出場が確実となった。 　「2人でつくるプログラムにしたい。物語を知らない人でも分かるように演技を」（吉田）との思いのもと、FD曲「ロミオとジュリエット」を情感たっぷりに舞った。フィニッシュ後は2人で肩をたたき合った。森田は「転倒もなく滑り終えられた」と安堵（あんど）し、吉田も「終わって一安心した。危ないところもありましたが『耐えた』という感じでした」とほほ笑んだ。 　2003年生まれの同学年の2人は、23年春にカップルを結成。昨年の同大会で3位となり、年明けの4大陸選手権は10位と躍進した。今季は11月にグランプリ（GP）シリーズ第4戦NHK杯にも初出場した。 　日本のアイスダンスは23年5月に村元哉中、高橋大輔組が現役引退、今年4月に小松原美里、尊組が解散。今大会は優勝経験のある選手が不在の中、うたまさが初めて日本一のタイトルをつかんだ。 　初出場が確実となった世界選手権へ向けて、吉田は「自分たちの存在感をどれだけアピールできるか、点数を出せるか、目標をチームで話し合ってしっかり準備したい」と視線を向け、森田も「自分たちのパッションが伝わるような演技をどの舞台でもしたい」と意気込んだ。