神戸イニエスタが今サッカー少年達に伝えたいこと…「ワクワク感を忘れず…忍耐を持って難しい時間を乗り越えよう」
「自分はサッカーが大好きだし、サッカーが楽しくて仕方がないと思いながら育ってきたので、生まれ変わっても僕の情熱はサッカー選手になることへ向けられると思う」 さらに相手の意表を突くような“パス”も繰り出している。2つ目の質問に対して「ポジションに関しては、ミッドフィールダーが一番好きだけど」と断りを入れながらこんな言葉を紡いだ。 「もしも生まれ変わって他のポジションを務めるとしたら、センターバックでプレーしてみたいかな、と思っています。ただ、センターバックとなると、おそらくは別の体つきで生まれ変わらないといけないんですけど、それでも非常に興味があるポジションですね」 身長171cm体重68kgの自身のサイズもまじえながら、イニエスタは意外なポジションをあげた。攻撃を差配する司令塔としてバルセロナで、スペイン代表でワールドレベルのセンターバックと何度も対峙してきた。心理戦を含めて、瞬時にさまざまな駆け引きを仕掛ける醍醐味を逆の立場で味わい、ゴールを奪う側ではなく守る側として凱歌をあげたい思いも抱いているのか。 ワクワク感にも通じる夢を明かしたイニエスタは質疑応答を終えた後に、パソコン画面の向こう側にいる子どもたちへ、すぐそばで見守っている保護者へ、そしてヴィッセルに関わるすべての人々へ届けとばかりに、シンプルであるがゆえに胸に深く響くメッセージを届けている。 「みなさまへエールを送りたい。それぞれが忍耐をもって、やりたいことができないこの難しい時間を乗り越えて、このライブ配信を見ているみなさま、ヴィッセル神戸のファンのみなさま、そして神戸の町と一緒に再びサッカーを楽しむ時間が一日も早く訪れることを願っています」 こどもの日の5日は、本来はホームの神戸市御崎公園球技場に水原三星ブルーウィングス(韓国)を迎える、ACLグループリーグ最終戦に臨む予定だった。しかし、依然として新型コロナウイルス禍が続くなかで、J1リーグを含めた公式戦が再開されるめどは立っていない。我慢を合言葉に未来を見すえ、最大限の努力を積み重ねていくなかで、イニエスタは週明けの11日に36回目の誕生日を迎える。 (文責・藤江直人/スポーツライター)