2025年県産米、増産へ 7月豪雨被害受け方針一転、シェア回復図る
2025年産米の「生産の目安」に関し、県は19日、7月の大雨被害で24年産の生産量が減少する見通しを踏まえ、減産や現状維持としていた近年の方針を一転し、増産の考えを明らかにした。新型コロナウイルス禍による民間在庫の増加などで生産を抑えていたが、今年の減少で全国シェアの低下が懸念され、方針転換が必要と判断した。今月下旬に開かれる県農業再生協議会の臨時総会で具体的な数量を決定する。 増産方針は19年産以来。山形市の県自治会館で同日開かれた県米政策推進会議で県が説明した。目安は例年、国が示す全国の需給見通しに平均の県産米シェア率を乗じて算出した数量をベースに、県産米の在庫量や相対取引価格の動向などを加味して決定している。 政府の基本方針で示された25年産の主食用米等生産量は683万トン。県産米のシェア率は4.74%で、約32万4千トンが来季のベースとなる。大雨被害で全国に占める生産量の割合は低下しており、シェア回復に向けた加算を行う方針で、24年産の目安である31万6100トンを上回る見通し。
会議では各委員が増産に理解を示し、23年産米の需給逼迫(ひっぱく)や米価上昇を踏まえ「集荷に苦労しており、増産してほしい」「米価が下がって生産意欲が減退することは避けなければいけない」といった意見が出た。 生産の目安は政府による主食用米の生産調整(減反)廃止に伴い、18年産から本県独自の取り組みとして実施している。