『劇場版ドクターX』田村直己監督が目撃した綾野剛の成長 俳優デビュー作「仮面ライダー555」から20年続く絆
『劇場版ドクターX』(全国公開中)のメガホンを取った田村直己監督がインタビューに応じ、自身が参加した特撮ドラマ「仮面ライダー555(ファイズ)」(2003~2004)で俳優デビューを果たし、本作にゲスト出演している綾野剛との再会について語った。 【動画】西田敏行さん、最後の“蛭間重勝”に寂しさにじませメッセージ 本作は、「私、失敗しないので。」の決めゼリフで知られるフリーランスの外科医・大門未知子(米倉涼子)の奮闘を描く連続ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」の初の劇場版にしてシリーズ完結編。東帝大学病院に戻った未知子に最大の危機が訪れ、これまで謎に包まれていた彼女の秘密が明かされる。
綾野が演じたのは、大門未知子の医大生時代の同期で、彼女の知られざる過去を知るキーパーソン・河野明彦。開業医として広島・呉で診療所を営んでおり、未知子のルーツを探るため、彼女の生まれ故郷である呉を訪ねた森本光(田中圭)と出会う。
田村監督と綾野が初めて出会ったのは、20周年を迎えた「仮面ライダー555」だった。綾野は澤田亜希/スパイダーオルフェノク役で出演し、田村監督は澤田が最期を迎えるエピソードなどを手がけている。
役者として駆け出したばかりだった当時の綾野について、「すごく思い悩んでいたので、いろいろ話した思い出があります。彼とはそこから仲良くなりました」と振り返った田村監督。「そこから頑張ってすごい俳優になって、(『ドクターX』で再会は)すごく縁があると思いました。私も(綾野に)出演してほしいと思っていて、内山(聖子エグゼクティブプロデューサー)がオファーし、今回出演していただけることになりました」
綾野は呉で暮らす河野を演じるために、広島弁の練習期間を設けたり、撮影場所の下見を希望するなど、役と真摯に向き合った。その姿勢は「仮面ライダー555」時代から変わらないといい、田村監督も「魂をかけているような、 凄まじい感じがしました」と舌を巻く。
作品でタッグを組む機会がなかった時期も、プライベートで親交を深めていたという二人。田村監督は「綾野君の人柄は(当時から)変わりません。『555』の時もわからないなりに一生懸命キャラクターを演じていましたし、志も当時から変わっていません。芝居は凄まじく素敵になりました」と感慨深げに語っていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)