「人体の構造について」本予告が公開、伊藤潤二「手術映像はまるでイリュージョン」
人体の神秘と人間の恐怖の根源を探るドキュメンタリー「人体の構造について」の本予告がYouTubeで公開。著名人の推薦コメントも到着した。 【本予告】刺激が強いと感じられる映像が含まれています 仏パリ北部近郊にある5つの病院のオペ室を舞台とした本作では、医師視点のカメラや内視鏡によって、脳や大腸、眼球などの外科手術や帝王切開の模様が映し出される。「リヴァイアサン」「カニバ/パリ人肉事件38年目の真実」のルーシァン・キャステーヌ=テイラーとヴェレナ・パラヴェルが監督を務めた。 本予告は「刺激が強いと感じられる映像が含まれています」という警告文でスタート。その後、普段は目にすることのできないオペの様子が切り取られていく。また「週に100人治療し、20人手術している。まるでロボットだ」という医師の言葉も収録。深刻な問題になっているという医師不足の現状を想起させる。 「サンショウウオの四十九日」で第171回芥川賞を受賞し、現在も消化器内科医として勤務する朝比奈秋は「発達した医療ほど、身体のグロテスクさをあらわにする」と述懐。歯科技工士として働いた経験のあるマンガ家の伊藤潤二は「人体組織という小宇宙に潜り込んで目撃する手術映像はまるでイリュージョンです。それに対する外界=病院の厳しい現実に目眩を覚えました」とつづった。そのほかのコメントは下記の通り。 「人体の構造について」は11月22日に東京・ヒューマントラストシネマ渋谷、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開。トランスフォーマー、TBSテレビが配給を担当する。 ■ 朝比奈秋(作家・医師)コメント 発達した医療ほど、身体のグロテスクさをあらわにする。 ■ 伊藤潤二(マンガ家)コメント 人体組織という小宇宙に潜り込んで目撃する手術映像はまるでイリュージョンです。それに対する外界=病院の厳しい現実に目眩を覚えました。 ■ 布施英利(解剖学者・美術批評家)コメント パリの病院、最先端技術のカメラが潜入したそこには「人体」があった。 …アンドレアス・ヴェサリウスの「人体の構造について」(1543年)の出版から約500年。 ここに新しい人体の映画が誕生した。 ■ 南杏子(作家・医師)コメント あまりにもリアルな映像に、医師としての日常がオーバーラップする瞬間が何度もあった。 目が離せず、やがて仕事が積み重なったときのように疲れてくる。 医療者でない人々に耐えられるのか。 そう心配した瞬間、一気に画面が切り替わり、別世界に吸い込まれた。 とてつもない解放感、とてつもない心地よさ。こんな体験は初めてだ。 ■ 養老孟司(東京大学名誉教授)コメント ふだんは見られない手術時の臓器や内視鏡の画像が見られる。 これは貴重な体験になると思う。 存在するものは存在するとして、視ることに慣れるのが大切だと思う。 (c)Norte Productions - CG Cinéma - S.E.L - Rita Productions - 2022