両親と「絶縁状態」です。生活保護申請すると「扶養照会」されることがあると聞きましたが、両親にも連絡がいってしまうのでしょうか?
生活保護を申請すると、親族に対して「扶養照会」をされることがありますが、事情によっては「家族に連絡をしてほしくない」というケースもあるでしょう。 例えば、両親と長年にわたって絶縁状態にある場合でも、両親への扶養照会は行われてしまうのかと、不安に思われている方もいらっしゃると思います。 本記事では、扶養照会とはなんのために行われるもので、扶養照会が行われずに済むのはどのような場合なのかを詳しくご紹介します。 ▼「生活保護」の受給要件とは? 親族への扶養照会は必須なの?
扶養照会とは?
生活保護を申請するにあたって「親族などの扶養義務者から援助を受けられないか」を確認されることがあります。 もし援助を受けられるのならば「生活保護よりもそちらを優先すべき」とされているからです。扶養義務者に該当するのは、3親等以内の親族であり、生活保護申請者の両親も、扶養義務者の対象になり得ます。 ただし、親族から援助を受けられないことが、保護の要否の判定に影響を及ぼすことはないと考えてよいでしょう。 申請者に扶養義務者がいることが確認された後に、扶養の可能性について調査した結果「扶養義務履行が期待できる」と判断された場合には、その扶養義務者に対して「扶養照会」が行われます。
扶養照会をしなくてもよいケースもある?
親族に対する扶養照会が行われた場合は、申請した福祉事務所の所在地がその親族に伝わることになるため、申請者がどこに住んでいるのかを知られてしまう可能性があります。 「両親とは絶縁状態が続いているので、連絡してほしくない」「どこに住んでいるのか知られたくない」といった事情もあるでしょう。 厚生労働省は扶養義務者に対して「扶養義務の履行が期待できない」と判断した場合は、扶養照会を行わないものとしています。「扶養義務の履行が期待できない者」に該当する一つのケースとして「扶養義務者と一定期間音信不通である」場合を例示しています。 以前は、親族と連絡をとっていない期間が「20年」であれば「扶養義務の履行が期待できない者」に該当するとされていましたが、扶養照会されることを心配して、必要な生活保護を受けられない人を減らすために「10年程度」に変更されました。 また、親族に借金を重ねていたり、相続で対立していたりして、著しく関係がよくない場合も、扶養照会をしなくてもよいケースに含まれます。