「糖尿病性腎症」の食事療法を医師が解説! 運動・生活のコツや注意点もご紹介
食事療法と併せて運動も大切! 糖尿病性腎症の人が取り組むべき生活習慣改善とは?
編集部: 運動についても教えてください。 井上先生: 血糖値や体重のコントロールだけでなく、体力維持、インスリン感受性の増加、心肺機能の改善という意味でも、運動、とくに有酸素運動はとても大事です。ただし、自己流でおこなうと低血糖発作や極度の体重減少などを起こしてしまうリスクもあるので、専門家に指導を受けたうえでおこなうことをおすすめします。 編集部: ほかにも、気をつける生活習慣は何かありますか? 井上先生: 体重・食事管理は大事ですが、気にしすぎもストレスになって良くないと考えます。そのため、私は3日に1日を目安に調整するよう指導しています。「昨日食べ過ぎてしまったら、今日と明日はいつも以上に気をつける」といった具合です。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 井上先生: 糖尿病の患者さんには、まずは処方されている薬をきちんと飲んでいただきたいと思います。また、当院では薬物療法だけでなく栄養指導にも重きを置いています。指導内容を繰り返し聞くことで最適な生活習慣を身につけられることに加え、わからないことは栄養士に質問することで知識が身につきます。糖尿病と診断されても、食事や運動などの生活習慣を意識することで、透析になるのを遅らせる、回避することが可能です。ぜひ、一緒に取り組んでいけたらと思います。
編集部まとめ
糖尿病性腎症の人の食事や運動など生活のコツ、注意点についてお話を伺いました。食事は病気のステージによって、制限するものが変わっていくとのことでした。また、運動も自己流でやるとリスクが伴うとのことで、専門のクリニックで指導を受け、一緒になって取り組むのが大切です。
【この記事の監修医師】
井上 禎子 医師(まごめ内科・腎クリニック) 東京女子医科大学医学部卒業。東京女子医科大学病院腎臓病総合医療センター入局、茅ヶ崎徳洲会病院、東京労災病院などで経験を積む。2016年、東京都大田区に「まごめ内科・腎クリニック」を開院。日本内科学会認定医・専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医・指導医、日本糖尿病学会会員。日本医師会認定産業医。
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