原作ファンと異例の脚本会議を実施!『ふたりで終わらせる』監督「ファンたちの経験を守りたい」
ブレイク・ライヴリー主演&プロデュース『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』の監督ジャスティン・バルドーニは、映画化にあたり「原作を愛し、背中を押されたファンたちの経験を守りたい」とSNSで原作の熱心なファンを招集。 【画像】全世界で約1,000万部を記録したベストセラー小説の映画化 脚本にフィードバックを求めたファンとの脚本会議や原作者コリーン・フーヴァーとのディスカッションを経て、原作では20代だった主人公の年齢を30代にするという大胆な変更を加えている。監督はその理由を「観客が主人公の葛藤をより理解し、共感しやすくするため」と明かした。 本作は、作家コリーン・フーヴァーによる「イット・エンズ・ウィズ・アス ふたりで終わらせる」(二見書房刊)を、ブレイク・ライヴリーを主演に迎えて実写化した映画。 理想のフラワーショップを開くという夢を実現すべく、ボストンにやってきた女性リリー(ブレイク・ライヴリー)は、クールでセクシーな脳神経外科医ライル(ジャスティン・バルドーニ)と出会い、情熱的な恋に落ちていく。幸せで穏やかな日々を過ごす2人だったが、ライルの愛は、次第に望まぬ形で加速していく…。 2016年に出版された原作小説は、2022年にTikTokのコミュニティ「#BookTok」で大きな話題を呼ぶと、ニューヨークタイムズ紙のベストセラーリストに140週にわたってランクインし続け、1,000万部の大ヒットを記録。 コリーン・フーヴァーはアメリカのベストセラー作家となり、続編「イット・スターツ・ウィズ・アス ふたりから始まる」は、出版社サイモン&シュスター創業以来、予約注文が最も多い本となった。そんな原作小説は、“愛する人からの暴力”というセンシティブな問題を描き、多くの人々の心を掴んできた。 「私たちは最初から最後まで、原作ファンの読書体験を守ることを一番に考えていました。コリーンが作り上げた物語は、人々に愛され、文化的にも大きな波を起こしました。そんな彼女の紡いだ物語に忠実でありたかったんです」と語る監督は、そんな大人気小説を映画化するにあたって、原作ファンの意見を迷わず脚本に反映した。 SNSで呼びかけて集まった原作の熱心なファン、原作者のコリーン・フーヴァー、そしてジャスティン・バルドーニ監督をはじめとする製作チームが一堂に会し、脚本の第1稿へのフィードバックを募るという異例のアプローチをとった本作。 その製作方法について、フーヴァーは「素晴らしいことだと思います。脚本に対する意見や脚本に望むことを教えてもらうのに、この作品を初めから支えてきてくれた読者以上にふさわしい人たちはいませんから」と明かしている。 そんな“脚本会議”を通して、本作では設定に大きな変更が加えられている。主人公のリリーは、原作の設定では20代前半だが、本作では30代。 この変更について監督は「もしリリーが20代前半だと、彼女が暴力を振るう恋人との関係から抜け出そうとしないのは年齢的に未熟なだけだ、という想いを抱く観客がいるかもしれないと感じました」と明かし、「リリーの葛藤は、彼女が未熟ゆえに生じるものでもなければ年齢も関係ないので、より共感できるように変更を加えたのです」と意図を語る。 リリーを演じたブレイク・ライヴリーもまた、リリーが自立した大人の女性であることがこの物語のカギになっていると考えており、「リリーは自分の足で大地に立ち、活力も主体性も持っている人です」と言う。 「ただ、自信や主体性や分別のある人でさえも、危険信号を見落とすことがあります。リリーとライルが出会ったとき、彼女が心を奪われたのと同じくらい、彼も彼女に心を奪われます。その対等な関係性を描くことで、2人の関係が少しずつ壊れていくときの彼女の戸惑いが大きくなるんです」と語っている。 また、コリーン・フーヴァーはこの変更について「大満足」と喜びを見せており、「小説を書いているときから彼らの年齢設定には少し違和感を覚えていたのですが、『ニューアダルト』というジャンルが執筆当時大きなブームになっていたため、設定を変更することが出来なかったんです。だから、私が諦めざるを得なかった点をこの映画でようやく修正することができたと感じているし、その点では映画の方が上手くいったと思えます」と明かしている。 そうして完成した本作はテイラー・スウィフトの名曲「my tears ricochet」に彩られ、すでに全米1億4,800万ドル、全世界3億4,800万ドルを超える興行収入を記録する大ヒットを飾っており、リリーの葛藤や苦悩、そして再生が描かれる力強いストーリーに背中を押される人が続出している。 『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』は11月22日(金)より全国にて公開。
シネマカフェ シネマカフェ編集部