40歳でパート勤務。有休を申請したら「繁忙期に休まれると困る」と言われました。別の日に休むべきでしょうか? そもそも「パート」でも有休は取得できるの?
有給休暇を取得しようとしたら「繁忙期だから休まれたら困る!」と、上司にいわれた経験のある人も多いのではないでしょうか。会社から有給休暇を使わないでほしいといわれた場合、従ったほうがいいのか拒否したらいいのか迷う人もいるでしょう。 本記事では、有給休暇の制度について詳しく解説していきますので、有給休暇の取得についての悩み解決の参考にしてください。 ▼有給休暇の取得に会社の許可は絶対に必要?「繁忙期」でも取得できるの?
そもそもパートタイム労働者でも有給休暇を取得できるのか
まず、そもそもパートタイム労働者でも有給休暇を取得できるのかどうかについて解説します。 パートタイム労働者は「有給休暇の対象となる人」と「対象とならない人」に分かれます。そのため、自分が有給休暇の対象となるのかを確認しましょう。次の2つの要件を満たせば、有給休暇の対象となります。 ・雇用された日から6ヶ月経過していること ・雇用契約書などで定められている所定労働日のうち8割以上出勤していること 例えば、雇用されてから7ヶ月以上たったとしても、雇用契約書に定められている期間の7割の勤務しかしていない場合は有給休暇を取得できません。そのため、所定労働日の条件を満たしているか確認する場合は、雇用契約書を見るか、会社に確認する必要があります。 条件を満たした場合、取得できる有給休暇の日数は図表1のようになります。 図表1
厚生労働省 年次有給休暇の付与日数は法律で決まっていますを基に作成 勤続年数や働いた日数によって有給休暇が取得できる日数が変わります。取得した日数以上の有給休暇を申請しても通りません。
会社には時季変更権がある
有給休暇の取得は労働者の権利であるため、会社は基本的には申請通りに有給で休みを取らせなければなりません。 しかし、「基本的に」としたとおり、例外も存在します。その例外が「時季変更権」です。時季変更権とは、労働者から申請のあった有給休暇の取得を、使用者が別の時季に変更できる権利のことをいいます。 つまり、会社は労働者から申請のあった有給休暇の取得時季を、会社の都合のいい日に変更できるということです。ただし、会社が時季変更権を使えるのは「事業の正常な運営を妨げる場合」のみに認められます。 事業の正常な運営を妨げるという条件を満たすためには、従業員が不足して事業が正常におこなえなくなる、同じ時季に有給休暇の取得をする人が重なってしまったなどの理由が必要です。ただ単純に「繁忙期だから有給休暇の取得できない」という理由では、時季変更権を使えないということになります。