地区の歴史文化、冊子で継承 伊勢「宮山まちづくりの会」が配布 三重
【伊勢】三重県伊勢市宮山地区の「宮山まちづくりの会」は設立10周年を記念し、地区の歴史や伝統文化、言い伝えなどをまとめた冊子「宮山よもやま話」をつくった。「宮山の歴史的、文化的財産を次世代につなごう」と、地区の約1500世帯に配布し、地元の小学校や市立図書館などに寄贈した。 冊子は、子どもたちが楽しめるよう、架空の小学6年生「あさちゃん」の疑問に、祖父「かめじい」が答える伊勢弁の会話形式で構成。古代から現代まで地区の変遷や遺跡、伊勢神宮との関わり、聖武天皇の命で造られたという「世義寺」、空海も食べたと伝わる特産の「蓮台寺柿」などについて楽しく伝えている。文献や地区の長老への聞き取りなどを基に2年以上かけてまとめあげた。A4判、110ページ。同会ホームページ上から、冊子のダイジェスト版の映像も見ることができる。 藤里、旭、前山各町からなる宮山地区は、団地や新興住宅地が広がる。同会の竹内敏克事務局長(72)は「全世帯の約7割が他から移り住んだ人。地域の歴史文化を知ってもらい、継承してほしい」と話す。制作に携わった石原欽吾さん(67)は「小学校の学習でも使ってもらえるよう、難しい言葉は使わず工夫した」という。 角前明会長は(72)「昔からの住民も、知らないことがあったと好評。歴史を知ることで、まちづくりへの意識向上につながれば」と話していた。