飛び級U-20代表選出の15歳久保が3つの誓い
届けられた吉報を喜んだのは一瞬だけ。初めて日の丸を背負って挑む、ワールドカップと名のつく国際大会へ。15歳の逸材、FW久保建英(FC東京U‐18)は「三つの誓い」を胸に秘めながら、大人への階段を駆け上がる決意をにじませた。 日本サッカー協会から2日午後に発表された、韓国で20日に開幕するU‐20ワールドカップに臨む21人の日本代表メンバー。最後に「くぼ・たけふさ」の名前が読み上げられた瞬間、日本サッカー界の歴史に新たな1ページが刻まれた。 前身のワールドユース選手権時代を含めて、日本が過去8度臨んだヒノキ舞台における最年少出場選手は、1979年日本大会の風間八宏(現名古屋グランパス監督)、2005年オランダ大会の森本貴幸(現川崎フロンターレ)らの17歳だった。 2001年6月4日生まれで、高校生になったばかりの久保は従来の記録を大幅に塗り替えることになる。まさに超のつく「飛び級」で抜擢されたという快挙は、限りある枠のなかから弾き出された先輩がいる現実をも意味する。 「日本を代表して戦う以上、変なプレーはできない。選ばれなかった人たちの気持ちを込めて戦いたい」 トップチームでの公式戦デビューが予想される、3日の北海道コンサドーレ札幌とのYBCルヴァンカップ予選リーグ(味の素スタジアム)へ向けた最終調整を終えてから数時間後。FC東京の小平グランド内の一角で、7台のテレビカメラに囲まれながら久保は一つ目の誓いを口にした。 日本が初優勝を果たし、10年ぶりとなるU‐20ワールドカップ出場を決めた昨年10月のU‐19アジア選手権。バーレーンの地で必死に戦い、準決勝ではアベックゴールも決めている岸本武流(セレッソ大阪)、中村駿太(青森山田高校3年)の両FWは今回選外になった。 出場権獲得後の昨年12月の南米アルゼンチン遠征で抜擢され、無限のポテンシャルと高度の適応能力を内山篤監督に見初められ、岸本や中村を押しのける形で最終メンバーに残ったからこそ、覚悟と責任が伴うと久保は力を込める。 「自分は他の選手たちと違って、途中からの飛び込みという感じで。周りが先輩方ばかりのなかで力を出すところは出して、教えてもらうところは教えてもらって、という形でやってきましたけど、選ばれた以上は『年齢が下だからミスをしてもしょうがない』ということはもう許されない」