会社の売り上げが悪いので、「来月から給料を下げる」と言われました。理不尽だと思うのですが認められるのでしょうか?
上司から「会社の売り上げが悪いので給料を下げる」と言われてしまったとき、従業員は従うしかないのでしょうか。給料を下げられることは、従業員にとって大きな不利益となりますので、会社の都合で減給することは法的に認められるのかと、疑問に思われる人も多いと思います。 本記事では、就業規則の変更による減給について、認められる条件とともにご紹介します。
就業規則の変更による減給は認められるのか?
労働契約法第九条では「会社は労働者との合意なく、就業規則を労働者の不利益になるように変更することはできない」としています。減給は労働者の生活に大きく影響する事態であり、就業規則の変更による減給は、労働者の不利益が大きすぎるといえるでしょう。 ただし、どのような場合であっても、就業規則の変更ができないというわけではありません。労働契約法第九条には「ただし、次条の場合は、この限りでない」という記載があります。 次条の第十条では「変更に合理性があり、変更後の就業規則を労働者に周知させている場合は、変更後の就業規則が有効なものとなる」とされています。会社側にやむを得ない事情がある場合、この条件を満たしていれば、たとえ労働者の不利益になるような場合であっても、変更可能ということです。
労働組合との協議により労働条件を変更できる場合もある
労働組合がある会社の場合は、労働組合との協議によって労働協約を変更することで、減給を行うことが可能です。 労働協約とは、労働組合と会社との間の団体交渉の成果として締結される協定で、労働組合法第十六条によると「労働協約に定める待遇に関する基準に反する労働契約部分は、無効とする」とされています。 就業規則よりも優先されるため、会社と労働組合が協議をして合意を得られれば、労働協約で規定する賃金の部分は変更可能です。
労働者が減給に合意している場合はすぐに減給可能
労働契約法第八条に「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる」とあるように、労働者が減給に合意している場合、会社はすぐに減給することが可能です。 労働者は、減給の妥当性を確認する必要があるため、会社側から減給の理由をきちんと説明されたか、説明を受けただけではなく自分が合意をしたかを明確にしておきましょう。また、減給される金額や期間についても、確認しておくことをおすすめします。