高速道路の新たなETC割引制度「通勤パス」って使えそうなのか?
曜日を問わずに割引を受けられる
今年4月1日から、高速道路のETC割引に新しい制度が導入された。「えっ、どんな内容?」「全然知らないヨ!」と思ったドライバーも少なくないだろう。 【写真】「通勤パス」が使える具体的な区間をもっと詳しく見る(5枚) 今回導入されたのは、「通勤パス」という制度で、曜日や時間帯にかかわらず、指定区間を50%割引で利用できるものだ。目的は、地方都市の一般道で発生している通勤ラッシュの緩和。一般道の交通の一部を、空いている高速に誘導しようということだ。 同目的では、現在「ETC平日朝夕割引」という制度があり、朝夕の通勤時間帯(6~9時、17~20時)に最大100km走行分まで、朝、夕それぞれ最初の1回のみ、30%(月に5回から9回利用の場合)~50%(10回以上利用の場合)割り引いている。平日朝夕割引には事前の指定区間はなく、大都市近郊区間を除く全国の高速道路が対象。ETCマイレージ割引に登録済みなら自動的に割引が適用されるので、使い勝手はとてもいい。ただし利用時間が平日の朝夕に限られるという弱点があった。 新型コロナ禍後、社会情勢は大きく変化した。テレワークや時差出勤が常識になったため、それに対応すべく、曜日にかかわらず24時間の利用が対象になる通勤パスが、社会実験として一部区間に導入されたというわけだ。事前に車種・区間を指定して、前月内にネットで申し込めば、翌月初から月末までの1カ月間、一日最大3回まで(通勤の往復+買い物利用などの1回分)、通常の10回分の料金で、20回まで利用できる。
メリットは1つだけ
ただしこの割引、まだ社会実験にすぎず、期間は2025年3月末までの1年間。しかも今回は、下記のように対象区間が限られている。 【2024年度通勤パス対象区間】 ・北海道(道央道)札幌南ICと北広島IC~千歳ICのうちいずれか1つの区間 ・新潟県の主に新潟市内と長岡市内の区間(利用ICの制限あり) ・山梨県(中央道)大月IC~長坂IC間(ICの制限あり) ・石川県(北陸道)加賀IC~金沢森本ICの各IC間 ・香川県(高松道)白鳥大内IC~善通寺IC間(利用ICの制限あり) ・長崎県(長崎道・長崎パイパス)長崎IC~大村IC間(利用ICの制限あり) (詳細はNEXCO各社のホームページ参照のこと) 社会実験で効果が実証されれば、全国展開(大都市近郊区間を除く)される方向なので、「おれっちには全然カンケーないな」というわけでもないが、通勤パスは鉄道の定期券に近く、事前購入した区間以外の利用は割引対象外(他の割引が適用される条件に当てはまればそちらを適用)。現状の平日朝夕割引も最大割引率は50%なので、それほどおトクになるわけではなく、曜日にかかわらず24時間の利用が割引対象になる点が、唯一最大のメリットだ。