<春に輝け・常総学院の挑戦2021>選手紹介/13 加藤颯内野手(2年) 大舞台で雪辱の一打を /茨城
試合前、円になった部員の中心に立ち、話しかける。テーマは家族への感謝や、人のための頑張りなど。熱を帯びた口調で「がんばっていきましょう!」と締めると、全員が「よっしゃー」と雄たけびをあげる。試合に向けて気持ちを高めるメンタルコントロール、通称「常総ハカ」。その場に欠かせない、チームを盛り上げる元気印だ。 小学生の時に見た対大阪桐蔭戦で、常総学院に憧れた。墨田リトルシニアを経て入学、試合では三塁コーチャーを任され、全体練習では誰よりも声を出す。守備練習でミスをした仲間には、「次、考えよう」と背中を押すのも自分の役目と考えている。 胸中では代打での雪辱を期す。2020年の県南地区選抜大会準決勝・藤代戦。1点を追う九回、2死二塁の場面で、バットの芯で捉えた打球は中堅手にダイビングキャッチされた。秋季関東大会の決勝・健大高崎戦では、延長十一回の打席で内角のスライダーを引っかけた。「心が弱かった。初球の甘いスライダーに手を出していれば」。悔しさをばねに、練習を重ねてきた。 チームの「盛り上げ隊長」だけにとどまるつもりはない。甲子園という大舞台で、次こそは結果を出すつもりだ。=つづく ……………………………………………………………………………………………………… ◇選手データ ▽東京・谷中中出身 ▽身長165センチ、66キロ ▽右投げ、左打ち