<下剋上で頂へ―’24センバツ・中央学院>第1部・出場までの道/2 苦しい展開の2試合、終盤打線爆発 /千葉
◇「諦めない」を体現 2023年9月25日の県大会準々決勝の東海大市原望洋戦。二回表に失策や相手の安打で7失点した。 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち チームに暗雲が垂れこめたが、福嶋翔平部長の「ここからだよな」という言葉で一変。ベンチに戻った野手はお互いに気合を入れ、得点と失点を繰り返す展開を耐え抜いた。 そして、反撃のチャンスを伺い、相手のすきを突いて一気に勢いを盛り返したのが、4点を追う七回裏だった。小沢遼大(2年)と颯佐心汰(同)の三塁打が飛び出すなど、打線が爆発。最終的にはこの回に一挙11安打を集めて11得点し、そのまま七回コールドで勝利を収めた。 試合終了直後、相馬幸樹監督は「野球の流れって怖いですよね」と苦笑いした。 「今までやってきたことがある」。部員らはそんなマインドでグラウンドに立っていた。予選で一度、敗戦を経験した後は意識も変わった。練習だけではなく、試合も集中。それが自信につながった。その象徴的となった試合が、東海大市原望洋戦の約1週間前にあった、県大会2回戦・八千代松陰戦だ。 八千代松陰は2022年秋の県大会2回戦で対戦し、1―3で負けた因縁の相手。当然、中央学院の選手も気合が入っていた。だが、得点してもその裏に追いつかれる苦しい展開となった。 しかし、同点で迎えた八回に均衡が破れた。1番打者の岩崎伸哉(同)が内野安打で出塁し、死球や四球でまず1点。水嶋悠(同)や代打・古口駿斗(同)に長打が出て一挙計10点を獲得し、コールドゲームに。主将の中村研心(同)は「(この試合で)粘り強くできたことが自信につながった」と振り返る。 この試合は、他の選手たちにとっても転機になったようだ。4打数3安打だった森田倫揮(同)は「接戦の中、最後に打線がつながって大量得点となった。チームにまとまりができたと感じた」と話した。 試合を通して、相馬監督から示されたチームの行動指針「三つのモラル」の一つ、「NEVER GIVE UP(諦めない)」を体現し、チームは次第に強くなっていった。青木勝吾(同)は「チームで決めていることだから、守らなければいけない。『いけるぞ』という雰囲気で、みんなで戦ってきた。八千代松陰に勝ちきったことでチームも流れに乗れた」と話す。【林帆南】=つづく ……………………………………………………………………………………………………… ▽県大会準々決勝(23年9月25日) 東海大市原望洋 070200 0=9 中央学院 00300211=16 (七回コールド) ▽同2回戦(23年9月17日) 中央学院 020012110=16 八千代松陰 0200121 0=6 (八回コールド)