酒質良く、清酒本来の味わい 「北の勝」醸造元・碓氷勝三郎商店で呑切り
北海道根室の地酒「北の勝」の醸造元・碓氷勝三郎商店(碓氷ミナ子店主)で20日、清酒の熟成度合いを確かめる恒例の「呑(のみ)切(き)り」が行われた。 鑑定官からは「酒質も良く、清酒本来の味わいがある」とお墨付きをもらった。新酒は今後、順次出荷されるという。 今回鑑定されたのは、昨年10月から今年3月ごろまでに仕込んでいた「大吟醸」や「純米酒」の特別酒2種と「本醸造」「鳳凰」「大海」の普通酒3種の計5品種25本のタンク原酒と市販品3種の28種。札幌国税局の鑑定官3人が色や香りなどを鑑定した。 昨年度まで熊本で焼酎の鑑定をしていた札幌国税局鑑定官室の本村創室長は初の根室で、「老(ひね)香(か)もなく、良い意味で昔ながらの味わいに仕上がっており、北の勝伝統の味なんだろうと思う」と評していた。 製造部主任の根本篤司さん(50)は「酒米が硬く発酵させるのに苦労した。酒量は落ちたが温度などの創意工夫で昨年並みの酒に仕上げることができ、安心した」と、初の呑切りを終え、安(あん)堵(ど)の表情を浮かべていた。
釧路新聞