【バドミントン】山口茜が大会初優勝! 「我慢のプレーや守りのプレーで、自分らしさをしっかり出せた」<熊本マスターズ2024>
世界のトッププレーヤーたちが熱戦を繰り広げるBWFワールドツアー・熊本マスターズジャパン(Super500/熊本県立総合体育館)。女子シングルス決勝戦でG・M・トゥンジュン(インドネシア)に2-0で勝利し、大会初優勝を果たした山口茜のコメントを紹介する。 ――決勝戦を振り返って 今日の最後の試合だったので、優勝というカタチが一番うれしいと思っていましたが、まずは自分のいいプレーを見てもらえるようにと思って、試合に臨みました。戦術面では、自分が(強打を)決めていくというより、相手のミスを誘うプレーがしっかりとできたのかなと思います。 ――地元開催の大会で優勝 ジャパンOPとは違った特別感がありました。役員の方、チームの選手、近くにいる方々がいつもより身近な方がすごく多かったので、すごいプレッシャーだなと感じていましたけど(苦笑)、ジャパンOP以上にホーム感もある。特に、チームの後輩などに、試合中の振る舞いとか、お手本になるように……とまでは思っていないですけど、やっぱりカッコいいところを見せたい気持ちにさせてくれる環境でした。特に昨日の(苦しい)試合などを踏ん張れる要因になったと思います。 ――地元で「アカネ」コールもあった あらためて、すごくありがたいことだなと感じました。やっていて、より楽しくなっていく感じがしましたし、本当にうれしく感じました。 ――ダイビングレシーブで得点した場面があった 相手のエースショットをなかなか拾い切れていなかったので、どんなカタチであれ、やっと返ったという気持ちが強かったです。(得点になった瞬間は?)転がっていたので、返球が見えていなかったんですけど、会場が盛り上がっていたので、うれしかったです。 ――第2ゲームは、中盤まで競り合う展開。どんなことを意識したか 第2ゲームの方が、1ゲーム目より気を使わずにコントロールできている状況でした。リードされない限りは焦ることなく、今までどおりのラリーでいいかなと思いました。できれば、エースショットを拾いたかったですが、それをいかに打たせないか、という面もしっかりと考えて、落ち着いてプレーできていたと思います。 ――第1ゲームはコントロールの難しいエンドから入った 昨日よりコントロールできていた実感はあります。相手が後ろに押してくるよりも打ち下ろしてくるスタイルなので、後ろを気にしすぎることなく、守りの準備がしっかりできて、落ち着いてコントロールができていたと思います。昨日の相手の試合を見ても、結構ミスで(球をコート外に)出している展開が多かったので、自分がどうこうというより、1本でも長くラリーをしようと思い、落ち着いてやれたと思います。 ――地元でカッコいいところを見せたいと話していた。大会を終えての自己評価は? 優勝できたので、100点です(笑)。 ――試合は楽しめたか 今回は、我慢のプレーや守りのプレーで、自分らしさをしっかり出せたかなと思います。もう少し攻撃面でもかっこよくプレーしたい思いもありますけど、そこは(攻守の)バランスや戦術もある。そこは、またできるように頑張りたいです。 ――ワールドツアーファイナルズの出場権を獲得できるチャンスがあるが? そこまで深くは考えていません。もし出られたらいいプレーをしたいです。中国マスターズの結果次第だとは思いますけど(ファイナルズ出場のために)それでどうしたいというよりは、今週のようにいいプレーを続け、向上させたい気持ちです。 ――五輪後も試合に出続けている理由は? 自分自身は、「次の五輪が目標」というわけではない。長期間休んでも、それで自分がもう1回頑張れるというようなことはないと思っています。休んでしまうと戻って来れない、というのも強いかなと思います。もちろん目標を立てて、プランをつく頑張るやり方も大切ですが、自分は、時には結果、時には楽しさを求めながらバドミントンをして、新しい発見やより求めたいものがあればいいなと思ってやっています。もちろん、五輪に向けて精いっぱいに準備してきたので、モチベーションの低下はあったと思いますけど、五輪が終わったからというより、これまで通りにバドミントンを楽しく、成長を求めていくのが自分らしさかなと思います。 ――1年の終盤に入ったが、今年をどう締めくくりたい? まずは、ケガなく、年が終わればいいなと思います。結果も出ればいいとは思いますけど、まずはいいプレー、自分が楽しめるプレーをやって締めくくれたら、それがベストかなと思います。今年は日本でしか優勝していませんし、前半はケガもあって結果(が不満)というより、自分のプレーがうまくできないもどかしさがありました。ジャパンOPや今回の優勝、五輪もそうだけど、それなりにいいプレーができるところまで持っていけているのは、今までに積み重ねた経験や成長してきた部分かなと思う。それを感じられたことがよい1年、ということになるのかなと思います。 ――来週の中国マスターズに向けて 今大会は、いいプレーが出せたかなと思います。来週も引き続き、いいプレーができるように、より向上させていけるように、頑張りたいです。
取材・文・写真/平野貴也