AIで合う・合わない部署を診断!? 新入社員の“五月病退職”防げ!【WBS】
AIで合う・合わない部署を診断
退職を決断する理由として増えているのが、配属先が自分に合わず辞めてしまうケースです。 せっかく採用した若手人材を失わないよう、配属のミスマッチによる退職を防ぐ対策に乗り出す企業も出てきています。社員およそ800人の人材系スタートアップ「レバテック」です。 「今、新入社員の皆さんが研修を受けているところです。グループに分かれていますが、このグループを決める際や配属先を決める際にAIを活用しているということです」(田中瞳キャスター) 今年度、およそ160人の新卒を採用したレバテックでは、採用試験の際に「適性検査」を実施しました。「知らない世界に入ると、いつもワクワクする」など、およそ250の質問に答えることで、社員の性格を明らかにするというものです。 その結果を、過去の退職者のデータなどと照らし合わせ、性格ごとに合う部署、合わない部署をAIが判断。それをもとに新入社員の配属先を決めるというものです。 転職支援サービスの担当部署に配属された新入社員は「希望通りではないが、適性検査の上で判断されたので、前向きに捉えている」と話します。 「そこでも頑張っていけそうですか?」(田中キャスター) 「最初は不安だったが、事業部の理解や自己理解が進んだことで、納得感は生まれた」(新入社員) レバテックの髙橋悠人社長も適性検査を受けてみたといいますが、出た診断は「人情より事実を優先するあまり、『冷たい人』と思われる危険があります」。 「毎日笑うように気をつけている(笑)」(髙橋社長) このAI配属を導入した結果、新入社員の1年以内の離職率は導入前と比べて3分の2まで減少しました。 「200人新卒が入ってきたとして面接官が500人、600人だとしたら、そこから判断できたことはフィルターがかかっている項目なので、信じていいかどうかわからない。データを用いて判断した方がよりいいのではないかという発想のもと、数年前からやっている」(髙橋社長) 実績を武器にシステムを他社に販売することも計画しています。 「どの会社でも同じ人が落ちることにはならない?」(田中キャスター) 「ならないと思う。一番大事なのは自組織に対して、どういう人材がどのぐらいの割合で必要なのかを使う側がしっかりと理解することだと思っている。使う側のリテラシーが高ければ特に問題ない」(髙橋社長) レバテックではこのAI分析を重要視していますが、仮に適性が低いという結果が出ても、本人の強い希望があった場合にはその仕事を任せることもあり、そういった場合はコミュニケーションをとって最終決定をするということです。 さらに、大手企業でも新入社員の配属に変化が出てきています。 キリンはこれまでエンジニアなどで多かった職種を限定して採用するジョブ型雇用を営業や経理でも始めました。また日立製作所は来年度から営業職を希望する場合、それが家電の営業なのか、鉄道の営業なのかまで細かく分ける「ポジション別コース」を試行導入します。 ※ワールドビジネスサテライト