【年金の素朴な疑問】厚生年金なら男女平均14万円台だと聞きました。自営業で国民年金だけを受けとる場合の平均月額も知りたいです
【公的年金】国民年金だけの場合「みんな、ひと月いくらもらっている?」
自営業やフリーランスなどの「第1号被保険者」、専業主婦(主夫)などの「第3号被保険者」は、老後に国民年金(老齢基礎年金)を受給します。 国民年金についても同様に、年金月額事情を見ていきましょう。 ● 国民年金・平均年金月額 ・全体…5万6316円 ・男性…5万8798円 ・女性…5万4426円 国民年金【男性】年金月額階級別老齢年金受給権者数 ・~1万円未満…1万2091人 ・1万円以上~2万円未満…5万5225人 ・2万円以上~3万円未満…21万1847人 ・3万円以上~4万円未満…65万8993人 ・4万円以上~5万円未満…136万2403人 ・5万円以上~6万円未満…342万2304人 ・6万円以上~7万円未満…831万511人 ・7万円以上…40万9668人 国民年金【女性】年金月額階級別老齢年金受給権者数 ・~1万円未満…5万3569人 ・1万円以上~2万円未満…21万9105人 ・2万円以上~3万円未満…66万9218人 ・3万円以上~4万円未満…200万2527人 ・4万円以上~5万円未満…329万3371人 ・5万円以上~6万円未満…482万3874人 ・6万円以上~7万円未満…653万6980人 ・7万円以上…137万3941人 国民年金だけを受給する場合の月額平均は5万円台。 冒頭でお話した「1階部分のみ」の年金受給となるため、男女差・個人差はさほど大きくありませんが、平均月額を厚生年金と単純比較するとその差は9万円ほど。 付加保険料の納付や国民年金基金への加入、任意加入制度などを活用して国民年金の受給額を増やす工夫を検討してみるのもよいでしょう。 また、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)や個人年金保険などで「年金の3階部分」を作って備えるのも一案ですね。
いまの働き方は、将来の年金額に繋がっています
今回は厚生労働省の資料をもとに、公的年金のしくみや、厚生年金と国民年金の受給額事情を整理してきました。貯蓄や収入、さらには健康状態などは人それぞれ。老後の支出は家族構成やライフスタイルによっても変わってきます。 高齢者の就労の機会を広げる制度の整備は進んでいますが、シニア世代の就労では健康状態との相談が必要となる可能性も頭に入れておく必要があるでしょう。 働き方、そして生き方の多様化が進むいま。昭和のひところと比べてライフスタイルの選択肢は明らかに増えています。 その中で一つだけ心に留めておきたいのは、いまの働き方は、自分が受け取る将来の年金額に少なからぬ影響を与えるのだということ。 若いうちから老後の年金暮らしを念頭に置いた仕事選びをしましょうというのもナンセンスなお話かもしれません。 でも、預貯金にプラスしてつみたて投資を検討する、ねんきん定期便や給与明細には必ず目を通す、といった地道な習慣も、一生涯の財産となるはずです。
参考資料
・内閣府「令和6年第6回経済財政諮問会議」 ・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」 ・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
吉沢 良子