老舗ゴルフ場に変化もたらすレディースコンペ ~三重カンツリークラブ
今年で開場64年の三重カンツリークラブ(三重県菰野町)では、3カ月に1度開催するレディースコンペが人気を集めている。リピーターを中心に参加者は毎回のように100人を超えるというからかなりのもの。集客という意味でも大きなイベントであると同時に、多くの女性ゴルファーを受け入れることが老舗コースの変化にもつながっている。
標高1212メートルの御在所岳(ございしょだけ)は三重県の観光スポットのひとつ。登山、温泉、スキー、紅葉など、季節によってさまざまな楽しみ方がある。奇岩も見どころのひとつで、自然が生み出した通称“落ちない岩”は受験生の願掛けとしても人気となっている。三重CCはそんな名山の麓に位置しており、御在所岳にかかるロープウエーとともに県内でタクシー、バスを運営する三重交通のグループ会社でもある。
貸し切りレディースコンペは河合直幸副支配人が仕掛人だ。「レディースコンペ自体は以前から毎月開催しているのですが、参加は3~5組程度でした。そんな中、2020年12月に200回記念、そして開場60周年記念と銘打って開催したところ、30組以上の参加者が集まったんです」。過去のコンペ参加者にDMを送るなど地道にPR。“記念大会”という特別感が関心を集めた。この成功を受け、当初は1回限りの予定だった貸し切りコンペはその後、3カ月に1回のペースで継続している。 安定して100人以上が集まるイベントになった要因は、ほかにもいくつかある。コロナ禍で表彰式などを行わないハーフコンペが一般的になったことも大きい。スコアは前半のハーフを終えた時点で集計し、後半のハーフはコンペの対象外。ホールアウト時点で成績はすぐに分かる。「レディースコンペの参加者は主婦がメーンなので、ほかのコンペ以上に早く帰りたい方が多いんです。ハーフコンペになってから毎月のレディースコンペの参加者は増加傾向でした」。その実績が記念大会開催の後押しにもなった。