NGT48暴行事件が突きつけるアイドル運営の難しさ “接触”スタイルは限界?
新潟を拠点とするアイドルグループ・NGT48のメンバー、山口真帆さんが昨年12月に自宅マンションで同グループのファンの男性2名から暴行被害を受けた件で、運営会社AKSは22日に記者会見を開いたが、会見中に山口さんがツイッターで反論するなど、ファンの不信感を拭うことはできなかった。こうした経緯を踏まえ、新潟県の花角英世知事は27日、事態はまだ収束していないとして今秋開催の「国民文化祭」スペシャルサポーターをしているNGT48との広告出演契約について平成31年度の更新を保留することを発表。 事件の背景には、握手会などの“接触イベント”で変化してきたアイドルとファンの距離感の問題があるといわれる。あらためてファンと身近に接する形でのアイドル運営の難しさが浮き彫りになってきた。
接触自体がイベント化 アイドルとファンの距離感が崩壊
芸能人とファンが接するイベントは以前からあったし、ファンとのトラブルも昭和の時代からあるにはあったが、2000年代に入ってからは「会いに行けるアイドル」を前面に押し出したAKB48をはじめ、ファンと身近に接すること自体を売りにしたアイドルが増え、そのぶんリスクも増加したといえる。 「AKB48以前から、ハロプロなどでも握手会をはじめ、ファンと行くバスツアーや海外旅行、ディナーショーでの握手でのお見送りや2ショット撮影などはありました。しかしそれらはあらかじめ抽選に当選したファンだったり、熱心なファンのみが参加するプレミアムなイメージのもので頻度的にも規模的にもなんとか警備が行き届いていた。AKB48以降、その“接触”自体をイベント化する動きが出てきて、アイドルとファンの距離感はある種崩壊した。崩壊が言い過ぎなら、良きにつけ悪しきにつけ劇的に変わったと言えるでしょう。いつもテレビやCDで楽しんでいるアイドルと会える、という感覚ではなく、会うためにCDを買う、会うこと自体が目的になってきたわけです」と指摘するのは、アイドル誌の50代男性編集者だ。