超過勤務手当1億2780万円、職員に未払い 福井県の公立小浜病院、関連3施設でも判明
福井県小浜市の杉田玄白記念公立小浜病院で、職員の超過勤務手当が適切に支払われていなかったとして敦賀労働基準監督署から是正勧告を受けた問題で、公立小浜病院組合は11月25日、同手当の未払い額が本年度分(12月まで)だけで同病院で約1億2780万円、関連3施設で約442万円に上ると明らかにした。職員の給与に関する組合条例を改正し、未払い分を対象者に速やかに支給するとしている。 同日開かれた病院組合議会で明らかにした。病院組合は対象の職員数を公表していない。昨年度以前の調査については「検討したい」としている。 同病院は今年9月、職員1人に対する超過勤務手当が労働基準法の定める額より不足しているとして、是正勧告を受けた。病院組合によると、医師ら職員は地方公務員に当たるが、条例で国家公務員の処遇に準ずるよう規定していたため、過少支給となっていた。 病院組合は、病院の全職員約630人のほか、運営する他施設も含めて調査。レイクヒルズ美方病院(若狭町)で約119万円、介護老人保健施設アクール若狭(小浜市)で約316万円、公立若狭高等看護学院(同)で約7万円の未払いも判明した。 この日開かれた組合議会の全員協議会で病院側は「給与条例の改正案が成立次第、速やかに不足分を対象職員に支給する」と説明。その後の本会議で改正案を提案した。12月26日の本会議で採決する。
福井新聞社