「103万円の壁」ってナニ?専門家は『配偶者控除』の周知が不十分と指摘 国民民主の玉木代表が「最重点」とする問題をモデルケースで解説
パート歴5年 高島実季さん「夫から103万円は超えないようにと言われているので、時間がきたらすぐ定時で、残業とかはできないので、定時であがるという感じ」 クリスマスが迫る11月から12月にかけては、1年で最も忙しい時期のひとつですが、思うように働けず、もどかしさを感じています。 高島さん「ギリギリで働いている状態です。でも、厨房は忙しいので、休みづらい。ごめんなさいと思いながらやっています」 雇用する側にとっても痛手です。 ■本来喜ばしい昇給に「不思議な葛藤」 この洋菓子店は、熊本県内3つの店舗で10人以上が、シフトの調整をしなければいけないと言います。 アントルメ菓樹 柴田悠貴代表「調整をしなければいけなくなると、もっと人を雇わなければいけなくなる。でも、採用といってもそんなに人がたくさん来る時代でもないですし、すごく難しい」 また、最低賃金が上がると共に従業員の時給も上がっていて、これまでより早く103万円に達するようになったため、さらにシフト調整が難しくなっています。 柴田代表「(今年)賃金も上げていますし、それ以上の賃金アップは評価として上げていきたい。上げてあげたいけど、もっとシフトを減らさないといけなくなるので、不思議な葛藤」 本来であれば喜ばしい賃金アップが手放しでは歓迎できないのです。 ■「配偶者控除制度」が広く知られていない 租税法が専門の熊本大学の大藏将史(おおくら まさし)准教授は「配偶者に関してはすでに103万円から150万円まで控除の壁が引き上げられているものの、制度の周知が不十分なため年収103万円までで働くのを控える人が多いのではないか」と指摘します。 熊本大学大学院 大藏将史准教授「やはりこの(103万円という)金額が長年変わっていなかった。それから社会保険料の106万円の壁。とりあえず103万円にしておけば大丈夫というような意識が広がっている点はあるのかなと」 ■モデルケースで見る「年収103万円の壁」 キャスター「現場の声を聞いてみると、103万円の壁が全く時代に合っていない気がしますね」