銀座の首都高がリニューアルで大変貌! C1都心環状線「築地川区間」の上部が公園になるって本当?
首都高速道路は2024年9月4日、C1都心環状線「築地川区間」の老朽化による更新事業に伴い、道路に蓋掛けをした上部の空間を緑豊かな公園に整備すると発表した。将来は築地川区間の道路も銀座の街並みも大きく変わるとみられる。 【図】築地川区間ってどのあたり? どこからどこまで? 概略図で確認!
銀座の首都高にトンネルができる!?
2024年9月4日、首都高速道路は大規模な更新事業を進めているC1都心環状線の築地川区間で、蓋掛けした上部空間を、緑の豊かな公園に整備して魅力的な都市空間を創り出すことを発表した。 首都高速の都心環状線「築地川区間」は、東京オリンピック開催を目前に控えた1962年(昭和37年)に開通。以来、都心の重要な交通網として機能してきた。しかし、建設後60年以上が経過したいま、この区間では擁壁のコンクリートの剥離や鉄筋の腐食といった老朽化が顕著となっており、現在の建築基準に照らし合わせると、この区間の建築物の強度が不足していることも問題とされている。こうした理由から、首都高速道路は、この築地川区間で大規模な更新事業を進めている。 首都高速道路はそれに伴い、築地川区間の銀座1丁目(三吉橋)から銀座4丁目(万年橋)までを、現在の半地下構造から道路の上に蓋(ふた)をする「覆蓋(ふくがい)化」をしてトンネルのようなかたちにすることも明らかにしている。(築地川区間は、その名のとおり、もともとあった築地川を埋め立てたところを道路として利用したため、現在のような半地下構造となった経緯がある)。 そして驚くことに、その上部は緑の豊かな公園になるという。一体どのようなものになるのだろうか?
中央区が進める「築地川アメニティ整備構想」って何?
今回実施される都心環状線「築地川区間」の更新事業、実は首都高速単独で進めらているものではない。中央区ではこの機会に周辺のまちづくりと連携して都市を再生しようと考えている。それが「築地川アメニティ整備構想」だ。 このプロジェクトが生まれた背景には、区内人口の増加に伴い、区民一人当たりの公園面積が減少傾向にあるという問題がある。だが新たに公園として整備するための土地の確保は極めて難しい。そこで築地川区間の上部空間を活用し、都心に開かれた新たなみどり豊かなアメニティ空間を創出しようと計画が立ち上がった。この空間は銀座と築地の街をつなぐ役割を果たし、東銀座駅・新富町駅・築地市場駅の地下鉄駅間で新たな人の流れを生み出すことも目指している。 現在、首都高速道路は、都心環状線と八重洲線を地下トンネルでつなげる「新京橋連結路」の事業も進めている。この事業に伴い、将来的に廃止される「東京高速道路(KK線)」も道路上の空間を公園にすることが決まっている。 都心環状線の築地川区間の更新や新京橋連結路の新設に伴うKK線の廃止など、高速道路のリニューアルをきっかけに利用者の安全性や走行性の向上だけでなく、都心の緑と人々の憩いの場が増えることを期待したい。
文=KURU KURA編集部 資料=首都高速道路