非鉄スクラップHSコード改定、銅は銅線・黄銅・その他の3種に。アルミはサッシと切削・打ち抜きくず追加
銅・アルミスクラップの輸出入統計品目番号(HSコード)が来年1月から改定される見通しとなった。銅スクラップは銅くずの1分類から銅線、銅・亜鉛合金(黄銅)くず、その他の3分類となり、アルミスクラップはアルミ缶とその他にサッシ、切削・打ち抜きくずが加わり4分類となる予定だ。輸出品目細分化によってスクラップのユーザーである銅・アルミメーカーや再生原料問屋は輸出数量・価格の実態を把握し、仕入れ条件の設定に役立てることができるようになる。金属資源の国内循環強化に向けて貢献が期待される。 銅スクラップのコード改定の柱は、銅電線スクラップの分類を追加した点。銅のスクラップ業界では「1号銅線」「2号銅線」といった呼称が一般的に使われている。これを径・厚を明記する形となる。具体的には、径または厚さが0・35ミリメートル以上のものか、素材の径が0・35ミリメートル以上の銅より線と規定。銅含有量についても「99・9%以上」が明記される。実質的には1号銅線・2号銅線の分類と同等だが、税関での運用面を考慮し、数値規定を盛り込む形だ。 従来のHSコードでは、銅・アルミスクラップ輸出の実態把握が困難だったが、主要輸出品目かつ国内メーカーが主要原料として調達しているものが追加された。また銅と価格差がある黄銅が分かれたことで、銅は平均価格の精度が高まった。込銅など個別に追加されずにその他となったものはあるが、通関検査での見分けやすさによる実効性が重視されたとみられる。 銅線は製錬メーカーから伸銅メーカーまで幅広く使われる代表的なスクラップ。アルミサッシは二次合金・軽圧メーカーが使い、軽圧メーカーにとってはサッシtoサッシ実現のために必須の原料だ。切削くず・打ち抜きくずは主に二次合金メーカーの主原料となる。 昨年の輸出実績は、銅スクラップは37万4975トン、アルミスクラップ(アルミ缶・その他)は46万557トンだった。今年は生産活動が低調となる中、銅・アルミスクラップの発生は乏しく、品薄感の強さから集荷競争が生じている。銅・アルミメーカーや再生原料問屋は課題感を持ってスクラップの確保に取り組んでいる。 適用予定の新規HSコードは次の通り。 ▽銅線=740400100▽銅・亜鉛合金(黄銅)くず=740400200▽その他の銅くず=740400900▽サッシ=760200200▽切削くずおよび打ち抜きくず=760200300