『FF11』ジュノはプレイヤーが30分以上もかけて徒歩で目指した都市国家。『FF14』の新アライアンスレイドに向け、プリッシュや闇の王などの登場人物や関連用語を解説【エコーズ オブ ヴァナ・ディール】
2024年11月中旬に予定しているオンラインRPG『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)の大型アップデート(パッチ7.1)にて、『ファイナルファンタジーXI』(FF11)とのクロスオーバーコンテンツである新アライアンスレイドシリーズ“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”が実装される。 【記事の画像(15枚)を見る】 9月26日~29日に開催の“東京ゲームショウ2024”De配信された公式番組“第83回 FFXIVプロデューサーレターLIVE”では、新アライアンスレイドの”第1弾のタイトルが“ジュノ:ザ・ファーストウォーク”であることが発表。スクリーンショットが公開された。また、10月12日~13日に開催された韓国でのファンフェスティバルにて、敵モンスターとして“Fafnir(ファヴニル)”の画像も披露された。 そこで本記事では、『FF11』をプレイしたことがないヒカセンのために、現時点で公開されている“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”の情報をもとに、そこで出てくる『FF11』の用語や設定などを編集部が独自に解説。新アライアンスレイドへの期待を高めながら、クロスオーバー元となる『FF11』を知るきっかけとして活用してもらえるとうれしい。 ▼パッチ7.1の情報まとめはこちら そもそもヴァナ・ディールとは 新アライアンスレイドのタイトルになっている“ヴァナ・ディール”は、『FF11』の冒険の舞台。 女神アルタナがこぼした涙から生まれたと言われている5種族ヒューム、エルヴァーン、タルタル、ミスラ、ガルカの人間が暮らしている。また、この世界には5種族の人間以外にもさまざまな獣人やモンスターが生息しており、生存圏をかけた大小さまざまな争いが日々行われている。 そのヴァナ・ディールでは戦争での疲弊や国家間の確執により、さまざまな問題を正規の軍だけで解決することが難しくなっていた。そこで登場したのがのちに“冒険者”と呼ばれる若者たちで、彼らは各国に所属しながらも地位や身分には束縛されず、自らの正義と信念にしたがって行動。各国はこぞって彼らを雇い、問題の解決を依頼するようになった。 プレイヤーもそんな冒険者のひとりとなり、種族や外見、名前を決めたあとは3つの国(サンドリア王国、バストゥーク共和国、ウィンダス連邦)から所属国を決めて、ヴァナ・ディールに降り立つことになる。 都市国家・ジュノ大公国 アライアンスのタイトルにもつけられている“ジュノ”は“ジュノ大公国”のこと。サンドリア王国とバストゥーク共和国のあるクォン大陸と、ウィンダス連邦のあるミンダルシア大陸を結ぶ“ヘブンズブリッジ”の上に形成された新興の都市国家だ。もとは小さな漁村だったが、のちの大公カムラナートがクリスタル合成をはじめとしたさまざまな技術を持ち込んで発展させた結果、大きな影響力を持つ国へと成長をとげた。 ゲームとしては、最初にプレイヤーが所属する3つの国のおおよそ真ん中に位置する都市で、プレイヤーはある程度レベルが上がると拠点となるこの街に集い、パーティを組んで冒険へと出かけていった。なおジュノの街は、ル・ルデの庭、ジュノ上層、ジュノ下層、ジュノ港の4つのエリアに分かれており、今回紹介された“ジュノ:ザ・ファーストウォーク”のスクリーンショットの場所は、ジュノ下層がモデルと思われる。 『FF11』ジュノ下層 ちなみに『FF11』では、レベル20になるとチョコボに乗るための“チョコボ乗り免許証”を得られるクエストがジュノで受けられるため、プレイヤーがこの街に集うのはそれも一因になっている。ただ、その段階では飛空艇を利用することができず、サービス初期はファストトラベルのようなシステムもなかったため、プレイヤーは所属国から30分以上かけて徒歩でジュノを目指していた。 ズヴァール城・王の間 エリア紹介の最後は“ズヴァ―ル城”。禍々しい城内のスクリーンショットが公開されているが、ここは吹雪に覆われた北の地・ザルカバードに佇む、闇の王の居城である。 『FF11』ズヴァール城・王の間の外観 王の間はズヴァール城の最奥に位置し、その名のとおりこの場所で闇の王が待ち構えている。このエリアは、ザルカバードからズヴァール城に侵入し、ズヴァール城外郭および内郭の迷路のような通路を抜けた先で、ようやく辿り着ける場所にある。なお、公開された“ジュノ:ザ・ファーストウォーク”のスクリーンショットの場所は、戦闘エリアであるバトルフィールドの内部だ。 『FF11』王の間・バトルフィールド 『FF11』では先に紹介したジュノと王の間はかなり離れた場所にあるが、『FF14』ではどのような流れでジュノから王の間へと行くことになるのだろうか。 闇の王 7.1のキービジュアルアートの右上に描かれているのが闇の王。『FF11』においてプレイヤーが冒険者として活動をはじめる20年ほど前、北の地に突如として現れた謎の人物であり、冥界の魔物を引き連れて各地の獣人たちを支配下におき、クリスタル戦争(水晶大戦とも)と呼ばれる大きな戦いを引き起こした。そして20年前のこの戦争で闇の王は倒されたはずだったが、近年復活の兆しを見せていた……。 そしてプレイヤーは所属国のミッション(メインストーリー)を進行していく中で、やがて闇の王(Shadow Lord)と対決することになる。いわば初期の『FF11』におけるラスボスと言える存在だが、実装当初は闇の王が待つ“王の間”に辿り着くまでもひと苦労で、実装初期のレベル上限で闇の王を倒せたプレイヤーは数えるほどしかいなかった。その後、レベル上限が開放されて冒険者たちが強くなった結果、多くのプレイヤーが闇の王を討伐していく。 『FF11』闇の王 なお、闇の王との戦いで流れるBGM“Awakening”は『FF11』のBGMの中でも非常に人気が高い。最大64人が参加できる(※)大規模バトルコンテンツ“デュナミス”の最終エリア“デュナミス-ザルカバード”で流れる曲ということも人気を後押ししている一因だろう。 ※現在はこの人数制限や突入制限などはなく、自由に突入可能。 なお過去のアライアンスレイドでは、報酬として宿屋などでBGMを再生できるようになるアイテム“オーケストリオン譜”が入手できた。今回も『FF11』のBGMのオーケストリオン譜が追加されるのではないかと推測される。 プリッシュ 闇の王のほかにも、“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”の関連人物と思われるのがプリッシュ。キービジュアルでは、『黄金のレガシー』に登場したバクージャジャと対峙する様子が描かれていた。 プリッシュは、『FF11』の2番目の拡張データディスク『プロマシアの呪縛』(2004年発売)のメインストーリーにおけるヒロイン。 負けん気が強い性格で、一人称は「俺」であり、目的に対して一直線で天真爛漫な少女。敬虔な神学生だった彼女だが、洗礼式のときに起きた事故が原因で“忌むべき子”として恐れられるようになる。現在は、亡国“タブナジア侯国”の生き残りが逃げ込んだ“タブナジア地下壕”と呼ばれる集落で自警団のリーダーを務めているが、プレイヤーとの出会いをきっかけに、世界の命運をかけた戦いへとその身を投じていく。 『FF11』プリッシュ なおプリッシュは、人気キャラクターであるシャントットに次いで『FF11』以外の作品への出演が多く、『ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー』や、『グランブルーファンタジー』における『FF11』とのコラボ企画“幻想のウタイビト”などにも登場しているので、知っている方も多いのではないだろうか。 『FF11』におけるマムージャ族 先ほど述べたバクージャジャを含め、『黄金のレガシー』のメインストーリーにてスポットライトを当てられた種族・マムージャ族。彼らも『FF11』で登場した種族だ。 『FF11』のマムージャは、アトルガン皇国の皇都アルザビより南西に位置する“マムージャ蕃国(ばんこく)”を拠点としている獣人。マムージャとは彼らの自称で“輝鱗の眷族”という意味で、4つの階級(戦士、水士、賢士、騎士)の市民によって構成されている。 『FF11』に登場する獣人・マムージャ族 数百人のプレイヤーが参加できる『FF11』の大規模バトルコンテンツ“ビシージ”では、大軍を率いて皇都に攻め入り、アトルガン皇国の至宝である“魔笛”を狙う。このビシージではプレイヤー側が勝利すると獣人軍のレベルが上がり、高レベルになるとマムージャたちの僭主である双頭のマムージャ・Gulool Ja Ja(グルージャジャ)も参戦する。 『FF11』でのGulool Ja Ja なお、バクージャジャという名前のマムージャは『FF11』には登場しないので、『FF11』でプリッシュとバクージャジャの間に因縁などがあるわけではない。この辺りは、“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”独自のストーリーにて、両者がどのように関わってくるのか楽しみにしたい。 アークエンジェル 『FF11』アークエンジェル PLLの中で名前が登場した “アークエンジェル”は『FF11』の1番目の拡張データディスク『ジラートの幻影』(2003年発売)のメインストーリーに登場する敵で、ストーリー上では“クリスタルの戦士”と呼ばれている。 この敵とはミッションを進行するなかで戦うことになり、戦闘で敵として現れるときに“Ark Angel ○○”と表記されていることから、プレイヤーたちのあいだでは「アークエンジェル」や「AA」と呼ばれるようになった。このアークエンジェルたちは、5種族それぞれの人間を模した外見をしている。 なお、『FF11』にはSPアビリティと呼ばれるジョブ固有の強力なアビリティがあり、プレイヤーの場合はメインジョブに設定したジョブのSPアビリティしか使用できないが、2つのジョブの特徴を有したアークエンジェルたちは2種類のジョブのSPアビリティを駆使して冒険者たちを苦しめた。また、アークエンジェルたちとの戦闘で流れるBGM『Fighters of the Crystal』も人気が高い曲のひとつ。 5人のアークエンジェルたちの名前と特徴は以下のとおり(カッコ内は対応する種族とジョブ)。メインストーリーでは彼らと個別に戦うことになるが、5人といっぺんに戦うクエスト“神威”も存在する。 ・Ark Angel HM(ヒューム/戦士+忍者) ・Ark Angel EV(エルヴァーン/白魔道士+ナイト) ・Ark Angel TT(タルタル/黒魔道士+暗黒騎士) ・Ark Angel MR(ミスラ/シーフ+獣使い) ・Ark Angel GK(ガルカ/侍+竜騎士) なお、第1弾“ジュノ:ザ・ファーストウォーク”にて彼らが登場するかは未定。だがPLLではプロデューサー兼ディレクターである吉田直樹氏の言葉で、敵もパーティプレイで来る可能性が示唆されている。もし、『FF11』を象徴する彼らとの戦闘が実装され、5人同時に相手することになったとしたら、どのアライアンスパーティーがどのアークエンジェルを受け持つかなど、想像が膨らむ。 ニーズヘッグとも関係するファヴニル 韓国ファンフェスティバルにて公開された“Fafnir(ファヴニル)”は、『FF11』の“ノートリアスモンスター(NM)”の一体。 ノートリアスモンスターは、特定の条件を満たすとエリア内に出現する強力な敵で、中でもファヴニルは龍のねぐらと呼ばれるエリアに出現する。また、NMの中には、複数のパーティーがアライアンスを組み挑まないと倒せない“ハイレベルノートリアスモンスター(HNM)”が存在し、このファヴニルや、その上位モンスターであるNidhogg (ニーズヘッグ)もHNMである。なおニーズヘッグと言えば、『FF14』では『蒼天のイシュガルド』において、エスティニアンや光の戦士と戦いをくり広げた邪竜として印象に残っていることだろう。 ちなみに『FF11』におけるファヴニルは、“時々2-3回攻撃”の性能を持つ人気の片手剣、リディルを落とすことで有名。だがそのぶん強さも圧倒的で、とくに後方へのカウンター攻撃であるスパイクフレイルは、アライアンスパーティを一気に壊滅させるほどの威力を誇っていた。 以上、“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”の関連ワードの解説を終える。『FF11』をベースにどのような物語が展開するのか。いまから“ジュノ:ザ・ファーストウォーク”をプレイするのが待ちきれない。