鈴川紗由 声優初挑戦で「殻を破れた」 1600人オーディション突破しアニメ映画「きみの色」“主演”大役
女優・鈴川紗由(18)が自分の殻を破り、羽ばたこうとしている。1600人のオーディションを突破し、30日公開のアニメ映画「きみの色」で主人公・日暮トツ子の声を担当。初挑戦の吹き替えで“主演”という大役を果たし「自分を認めてあげられるようになった」と前を向いた。 【写真】初々しさあふれる18歳女優 透明感はえげつない 「声優さんが好きだったので」と高揚感を胸にアフレコに臨んだが「難しさをすごく感じた」と声優の偉大さを実感。だからこそ、初めてづくしの末に完成した作品を見て「鳥肌が立って涙が止まらなくなった」と感動した。今作は上海国際映画祭のアニメーション部門で最優秀作品賞にあたる「金爵賞」を受賞。「いろんな方に届いているのがうれしいなと思います」とはにかんだ。 制作過程で「自分を認めてあげられる」契機があった。トツ子がスキップしながら大声で歌うシーンを演じる際、山田尚子監督から「ノリノリで歌っちゃってください」とリクエストがあったという。元来「人目を過剰に気にする」性格で「突き抜けた明るさが大きな壁だった」というが、吹っ切って熱演。その演技に山田監督は大喜び。その笑い声が録音に入り、録り直しになったというが「限界を決めずに体当たりみたいなお芝居だったんですが、その反応がすごくうれしくて」と述懐。「これからもそういうことをたくさんしたいと殻を破れた瞬間だった」と明かした。 憧れの女優は、水野美紀と今田美桜。特に水野は、女優を志したきっかけという。NHK朝ドラ「スカーレット」とテレビ東京系「浦安鉄筋家族」の両作における役どころの演じ分けに感動。「同一人物と気づかなかった」といい「こんなに別人に見える役者の仕事ってすごいなと衝撃を受けて」と役者への扉をたたいた。 映像作品デビューは昨年という新鋭。これまでは「おとなしい女の子やお化け役だったり、ちょっと暗めな役が多かった」と笑い「真逆の明るい子やキラキラした役をやってみたいです」と目を輝かせた。今作で得た自信を胸に、役者業にまい進していく。 ◇鈴川紗由(すずかわ・さゆ)2005年12月27日生まれ。和歌山県出身。20年「ニュー・ヒロインオーディション」で特別賞を受賞。23年にテレビ東京「クールドジ男子」でドラマ初出演し、同年公開の「女囚霊」で映画初出演。若手俳優の登竜門として知られる「私の卒業プロジェクト」5期の映画「こころのふた~雪ふるまちで~」のキャストに選出された。身長152センチ。