七飯町の天狗堂が旧昆布館取得 来春、直売店を開業
【七飯】きびだんごを中心とした餅菓子製造業、天狗堂宝船(中島205、千葉仁社長)は12日までに、コロナ禍の影響で2020年8月に閉館した観光物産施設「北海道昆布館」(峠下)の土地と建物を取得した。施設の建物を活用し、自社初の直売店を構える計画で、来年3月下旬の開業を目指す。
旧昆布館は閉館後、函館市の不動産会社が土地、建物を取得。同社はもともと工場移転に向け、候補地を探していて、敷地の広さなどで好条件の旧昆布館に目を付け、水面下で取得に動いていた。取得額は非公表。
建物は鉄筋コンクリート一部2階建て。延べ約3900平方メートル。直売店の名称は検討中で、主力のきびだんご関連の商品に加え、町特産リンゴを使った新商品なども扱う計画。自社製品以外も一部他社から仕入れ販売するほか、地元商品と融合した直売店オリジナルの商品も開発していく考えだ。工場の移転も視野に入れている。
旧昆布館のある峠下地区は新函館北斗駅(北斗市)から約3キロで、近隣には将来的に道縦貫自動車道七飯ICも開通する予定となっている。旧昆布館の真向かいに道の駅「なないろ・ななえ」などがあり、相乗効果で集客も期待できる。 千葉社長は「土地の広さ、立地条件も良く、念願の直売店ができる。消費者の反応やニーズを直接感じながら事業展開でき、社のブランド向上を図っていきたい。魅力ある施設になるよう最大限努力する」と話している。 同社は1953年、函館市新川町で創業し、68年からきびだんご製造を始めた。同市西桔梗を経て2007年に現在地に移転。近年は他社と連携したきびだんご商品も積極的に考案。5本入りきびだんごは全国お菓子総選挙2024で第3位に入った。
函館新聞デジタル