仕事はできない「意識高い系」部下に、マネージャーが送れる2つの処方箋
組織と人事の専門家である“そわっち”が、アラフォー世代の仕事の悩みについて、同世代だからこその“寄り添った指南”をしていく連載シリーズ「モヤモヤり~だぁ~ず」。
本日の相談者:メディア企業・37歳 「メディア系の企業でマネジメントをしています。意識が高く勉強熱心なメンバーがいるのですが、入社して3年経ってもなかなか目立った成果が出ません。 仕事の上で評論家のような物言いが多いのも、気になります。素質はあると思うのですが、どう指導するのがよいかアドバイスください」。
「意識が高い」こと自体は賞賛すべきこと
揶揄する向きもあるようですが、キャリアにおいて高い目標を掲げて頑張っている若者は、もちろんとても良い人材であると思います。 私の昔の上司である立命館APU学長の出口治明さんは「夢は99%実現しない。しかし夢を見なければ100%実現しない」とおっしゃっていて、まさにそうだなと思ったものです。 若者のモチベーションが低いと嘆かれることの多いこの時代において、志や理想を高く掲げて毎日の仕事を頑張っていくこと自体は、実に賞賛に値すべきことだと思います。 しかしながら、この「意識が高い」ということにはいくつか問題があるのも事実です。それを以下に見ていきましょう。
「意欲」のふたつの側面とは
日本において、最大のシェアを占める性格適性検査にSPI(Synthetic Personality Inventory:総合適性検査)というテストがあります。 企業の採用選考や組織の分析などに使われています。そこで測定されている要素には、ふたつの「意欲的側面」があります。それが「達成意欲」と「活動意欲」です。 「達成意欲」とはまさに「意識が高い」というようなことで、高い理想/目標/志/野心を掲げようとする意欲、メンタル(精神的)な意欲を指します。 一方で、「活動意欲」とは平たく言うと「エネルギー量」「バイタリティ」のようなフィジカル(身体的)な意欲を指します。まずこのふたつの意欲を分けて考えることが重要です。