【大学野球】東都三部・四部入れ替え戦を特別な思いで戦っていた順天堂大の六番・遊撃の小澤拓海
幼少時から指導者への夢
小澤には幼少時から「指導者になりたい」という夢があった。そこがブレることはなく、順天堂大に進学したのも、保健体育科の教諭になるのが目的だった。三部優勝を遂げた今春のリーグ戦後は3週間、母校・習志野高で教育実習を受けた。大学の練習には参加できず、ほぼぶっつけ本番で立正大との二部三部入れ替え戦に挑んだ。「文武両道」を実践するのは、順天堂大では当然のスタンスである。 来年からは千葉県内の学校で講師として教壇に立ちながら、教員採用試験を目指し、正式採用を狙う。週5日、勤務し、赴任校に野球部があれば、部活動の指導にも当たるという。 「心身ともに成長をさせてくれたのは、高校での3年間。千葉のために、学校教育を通じて、恩返しをしたい。軸になる野球は習高にあるので、教えやすいとは思いますが、与えられた立場で全力を尽くしたいと思います」 順天堂大は学生が監督を務め、学生主体での部運営が伝統である。つまり、大人の指導者に頼ることなく、自らで考え、行動する習慣が染みついている。大学4年間、高校生を教えていく上での大きな基礎・基盤がある。小澤は自らの信念を貫く人生を歩んでいく。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール