なぜ知識や能力が足りない人ほど「馬鹿の山」に登りたがるのか
■ 「教えたがるようになる」のが悪いサイン 少し覚えただけで、ちょっと実績を出しただけなのに、過剰な自信に満ちている状態が「馬鹿の山」である。 たとえば、SNSマーケティングについて知識も経験もまったくない場合は、多くの人は自信を持たない。 「SNSなんて、やったことがない」 「情報発信なんて、できる気がしない」 と思い込む。しかし会社の要請で、渋々始めたとする。そうすると、みるみるうちにフォロワーが増え、話題になったらどうか? 「センスがあるよ!」 「お客様の間でも話題になってる。すごい!」 と、周りにもてはやされる。本人も成果を出せば、ドンドンと自信を深めていくはずだ。 そして、 「SNSを使って結果を出すことは、誰でもできる」 「わからないことがあれば、何でも私に聞いて」 と言い出すかもしれない。これがまさに「馬鹿の山」に登っている状態だ。 私もそういう経験は、数えきれないほどある。 コロナ時代になってからYouTubeチャンネルを開設し、人気を博すと、多くのお客様から評価された。 「私も横山さんのように、動画で発信したい」 「どんな動画を作ればウケますか?」 と質問された。そうすると、これ見よがしに、 「サムネイルはこうすべし」 「タイトルとハッシュタグのつけ方が命」 と自慢げに吹聴した。その後、YouTubeコンサルに強烈なダメ出しをされるまで、自信過剰の状態は続いた。
横山 信弘