阪神・山田 ヤクルト・山田哲人の道歩む「打撃、走塁技術が凄く高い」 同じく2年目開花から飛躍へ
◇阪神紅白戦 白組2ー1紅組(特別ルール)(2024年11月16日 安芸) 阪神・山田脩也内野手(19)が、高知・安芸秋季キャンプ最終クール4日目に行われた紅白戦で猛アピールに成功した。紅組の「1番・遊撃」で先発し、初回に右中間二塁打。凡退したが2、3打席目にも強烈な外野への飛球を放った。高卒1年目だった今季はウエスタン・リーグで102試合に出場し、経験を積んだ若虎。同2年目で飛躍したヤクルト・山田哲人内野手(32)と同じ道のりを目指す。 降りしきる雨にも集中力は乱れなかった。安芸キャンプ最後の紅白戦。過去2戦の7番、8番から一気に打順を上げた19歳が、会心の一振りで魅せた。1歳上の左腕・門別の直球を叩くと、打球は一直線に右中間へ。悠々二塁に達した。 「積極的にいけたのは良かったが、1球で仕留められなかった。そこは来季の課題」 意識の高さが頼もしい。快音の喜びよりも、初球から3球続けてファウルにした決定力の欠如を嘆いた。2、3打席目の中飛、左飛も力強く、小谷野打撃チーフコーチは「バットの出方が良くなっている。(キャンプ前と)全然違う」と賛辞。藤川監督も有望格の躍動に「能力が高いだけに、さらに育成をかけていく」と期待値の高さをほのめかした。 虎将が言う「育成」とは山田に今季与えられたプログラムを意味する。高卒1年目ながらウエスタン・リーグで102試合259打席を消化し、経験を積んだ。一方で関西圏での3連戦時には1試合を欠場させ、体力強化に専念させた。来季は木浪、小幡との遊撃争いも見据える中、指揮官は「彼の来年、再来年、3年後、4年後を見ていかないと」と慎重な構えだが、山田に悠長な考えはない。常々目標として名を挙げ「打撃、走塁技術が凄く高い選手。吸収したい」と敬意を抱く、ヤクルト・山田が歩んだ足跡を追う。 燕の山田は高卒新人だった11年にイースタン・リーグで114試合、460打席を与えられ、翌12年、1軍での26試合出場につなげた。15、16、18年は打率3割、30本塁打、30盗塁の「トリプルスリー」を達成。日本屈指の強打者に飛躍した。 「今73キロの体重を80キロにしたい。今年中にあと2キロ増やしたい」 高卒2年目の来季こそ1軍デビューを果たすべく、肉体改造も宣言した。夢へと続く「哲人ロード」を猛進する男に休息はない。心と体を一回り成長させ、山の頂上を目指す。(八木 勇磨) ◇山田 脩也(やまだ・しゅうや)2005年(平17)8月20日生まれ、宮城県出身の19歳。仙台育英では1年春から正遊撃手。2年夏から3季連続で甲子園に出場し2年夏は優勝、3年夏は準優勝。侍ジャパン高校日本代表として23年9月のU18W杯で優勝に貢献。同年ドラフト3位で阪神入団。1軍出場なし、2軍通算102試合で打率・217。1メートル77、71キロ。右投げ右打ち。