中国は対欧関係へのロシア支援の影響を誤算-バーンズ駐中国米大使
(ブルームバーグ): ロシアのウクライナ侵攻を支援する上で、中国は欧州との関係に与える影響を見誤った。米国のニコラス・バーンズ駐中国大使がこう分析した。
バーンズ大使は27日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じ、「中国は誤算だったと思う。現在の世界が欧州の平和と団結に対して核心的価値を置いていることを理解していなかったのではないか」との見方を示した。
ウクライナ侵攻開始後、中国大使に就任したバーンズ氏は、欧州連合(EU)が現在、中国によるロシア支援に「真っ向から反対している」と指摘した。EUと北大西洋条約機構(NATO)はともに、「この点を理由の一つとして」、中国を「システミック(体制的)ライバル」と呼んでいるという。
欧米が習近平国家主席に対し、ロシアのプーチン大統領との「限界のない」友情を生かして戦争終結に協力するよう繰り返し求めたにもかかわらず、習指導部は2022年のロシアによるウクライナ侵攻開始以来、外交的・経済的支援を提供してきた。
欧米の首脳たちはここ数カ月、ロシアの戦争を支援しているとして中国の銀行に制裁を科す可能性を警告し、中国に行動を起こすよう圧力を強めている。
ドイツのハーベック副首相は22日、中国に対し、ウクライナとの戦争で使用される可能性のある欧州製品のロシア輸出を止めるよう求めた。
欧州にとって、「これは存在に関わる戦争だ」とバーンズ氏は述べた。「冷戦終結の偉大な成果のひとつは、自由で民主的で、いかなる分断もない統一された欧州だからだ」。
原題:China Miscalculated With Europe in Backing Russia, US Envoy Say(抜粋)
--取材協力:Colum Murphy.
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Rebecca Choong Wilkins, Stephen Engle