角田裕毅が10位入賞したF1日本グランプリ、そもそもF1は何がスゴい?ル・マン、パリダカ…レースの特徴を総ざらい
4月7日に決勝が行われたF1日本グランプリ。予選10番手だった角田裕毅氏が10位入賞を果たした。日本グランプリで日本人ドライバーが入賞したのは、2012年の小林可夢偉氏以来12年ぶりとなる快挙だ。そもそも、F1が「スゴい」ゆえんとは。F1の「F」の意味から他の主なカーレースまで総ざらいする。 【写真】F1日本GPで入賞を果たした角田裕毅氏 (杉原健治:フリーライター) ■ 「フォーミュラカー」レースの最高峰 F1のFは「フォーミュラ」の頭文字であり、「フォーミュラ」とは日本語で「規格」のこと。タイヤやドライバーがむき出しで、1人乗りであるなど、レース規格に沿ったマシンを「フォーミュラカー」と呼び、「フォーミュラカーレース」の最高峰が「F1(フォーミュラ1)」だ。 フォーミュラカーレースには様々な規格があり、2024年3月29~30日、日本で初めて開催された「フォーミュラE」もそのひとつ。こちらは“電気自動車のF1”と呼ばれている。 【関連記事】 ◎フォーミュラEは誰が何のために走らせるのか? |熱狂冷めやらぬ東京・公道・電動レースを考察する そして、フォーミュラEやF1など、数々のカーレースを統括する団体が「FIA(国際自動車連盟)」である。フォーミュラEは2014年に初開催された比較的新しいカーレースで、2021年シーズンからFIA公認の世界選手権シリーズとなった。 ドライバーとしてF1に出場するためには、このFIAが発行する「スーパーライセンス」が必要となる。スーパーライセンス取得には、FIA発行の国際A級ライセンスを持っていることや、F1国際競技規定に関する質疑をクリアすることなどいくつかの要件を満たすとともに、過去のレース実績で獲得したポイントも必要だ。
■ 日本人のフルタイムドライバーは歴代10人 スーパーライセンスを取得し、F1への出場を果たすのは非常に狭き門。シーズンを通して参戦する「フルタイムドライバー」は、1987年に中嶋悟氏が初出場したときから37年間で10人だけとなっている。F1日本GPで入賞を果たした角田裕毅氏は、2021年シーズンから参戦。4季目となる今シーズンに期待が集まっている。 ちなみに、F1の下には「F2」「F3」といった下位カテゴリがあり、F1のサポートレース(前座レース)に位置づけられているカテゴリだ。日本国内ではF2と同程度のランクに位置する、日本国内最高峰のレース「スーパーフォーミュラ」がある。 スーパーフォーミュラはF1に次ぐ速さを誇り、F1出場に必要な「スーパーライセンス」を最短2年で取得できるのが特徴。これまでに佐藤琢磨氏やミハエル・シューマッハ氏、片山右京氏など、数々の世界的ドライバーがスーパーフォーミュラから輩出されている。