「紅こうじ」調査、長期化必至 小林製薬、被害判明から1カ月
小林製薬(大阪市)の「紅こうじ」サプリメントとの関連が疑われる健康被害が判明し、22日で1カ月。原因物質は紅こうじ原料の製造工程で混入したとみられるが、特定作業の長期化は避けられない。原料の製造工場では過去、床にこぼれた原料をすくい取って食品向けに再利用するなど、ずさんな実態が明らかに。同社は「今回の問題とは無関係」とするが、国などは衛生管理に問題がなかったか調査を本格化する。 小林製薬は3月22日、「紅麹コレステヘルプ」を摂取した人に腎疾患の症状が相次いでいると発表。70~90代を含む5人が死亡、計240人が入院し、延べ約8万8千件の相談が同社に寄せられるなど、被害は拡大した。 サプリの原料は小林製薬の大阪工場(大阪市淀川区)で生産。原因物質として可能性が浮上したのは、青カビ由来の「プベルル酸」のほか、想定外の物質が少なくとも2種類。大阪工場は老朽化で昨年12月に閉鎖され、実際の製造現場は残っていない。国は3月末に工場を立ち入り検査して衛生管理の実態解明を急ぐが、原因究明は難航が予想される。