母国では危険行為…! カナダ人が慄いた、日本人がやりがちな「旅行の仕方」
初車中泊で驚いたこと
そんなわけで、躊躇する友人をどうにか説得し、山奥の道の駅の駐車場で初車中泊をした。その翌朝、筆者よりも早く起きていた友人は笑顔でこう言った。 「このパーキングすごい!トイレぴかぴかだし、24時間使えるし、温かいお湯まで出る!」 彼の手には自動販売機で購入したらしきジュースが握られていた。昨晩の不安はどこへやら……。 この道の駅には地元の名物料理が食べられるレストランや、地産の野菜やスイーツを販売するショップも併設されており、開店後に数時間楽しむこともできた。道の駅から出発する際に「昨晩は人がほとんどいなくて暗かったから車の中で寝るなんてびっくりしたけど、こんなに安全で便利だとは思わなかった。何より無料なのがすごい!」と友人は感動を滲ませながら言っていた。 どうやら、友人の人生初の車中泊はお気に入りの体験となったようだ。その後のロードトリップ中には「昨日はホテルに泊まったから、今日は車で寝る?」なんて自分から提案してくるようになったくらいに。結局、ロードトリップの旅程の3分の1は車中泊する結果となった。 あれから数年経った今でも「日本って車の中で寝ても安全なの、本当にすごいよね!」や「あのパーキングで食べたコロッケ、すごく美味しかったなあ...」と車中泊の思い出話がしばしば出てくるくらいなので、友人にとってとても鮮烈で良い体験となったことは間違いない。 記事後編【「東京」は思っていたのとまったく違う…外国人旅行者が驚愕した「日本人の姿」】では友人が旅の途中で感動した、日本の田舎と都会、それぞれの意外な魅力について紹介していく。
小山 のぶよ(翻訳家・ライター)