欧州・東南アジアからの入国者に「至急対策を」 専門家会議が厚労省に要望
新型コロナウイルス感染症の対策を議論する政府の専門家会議の脇田隆字座長(国立感染症研究所所長)は17日夜、記者会見し、「海外での急激な流行の進展により、帰国者及び訪日外国人が新型コロナウイルスを持ち込む蓋然(がいぜん)性が高くなっている」などとして、厚労省に対し、欧州や東南アジアなどからの入国者に対策を取るよう求める要望書を提出したと明らかにした。 【中継録画】新型コロナ対策、専門家会議の脇田座長が会見
脇田座長によると、帰国者や訪日外国人により、新型コロナウイルスが国内に流入したと疑われる事例は、3月4日~15日までで46例。これは同期間における国内陽性例の約1割を占めるという。感染が拡大している欧州や、欧州と距離の近い東南アジア、エジプトから流入したとみられている。 こうした事態を受け、専門家会議は、欧州や東南アジアなどからの入国者に対策を取るよう求める要望書を厚労省に提出。具体的には、(1)2週間、自宅や宿泊施設などで待機(2)自己健康観察を実施(3)日本国内では公共交通機関を使用しないーーことを要請すべきだとしている。 専門家会議は19日、国内の感染状況についての見解を示す。これを前に厚労省に要望した意図について、脇田座長は「帰国者及び訪日外国人対応を至急開始する必要があると考えた」と説明。その上で「国内ではクラスター(小規模な感染者の集団)対策をはじめ、感染拡大防止に努めているが、海外から感染者が入ってきて、そこからクラスターが起こるという蓋然(がいぜん)性も高くなっている。水際対策を再度強化する必要がある」と強調した。