大黒摩季が語る、ZARD・坂井泉水との“歌詞”の違い「彼女は“負けないで”と言い私は“熱くなれ”と言う」
日曜日の昼下がり、静かな通りに佇む一軒の店「your time」に集うお客様たち。カウンター越しには、それぞれの個性あふれる物語が聞こえてきます。パーソナリティのチャンカワイがお届けするTOKYO FMのラジオ番組「ヱビスビール presents Color Your Time」。 3月17日(日)、3月24日(日)放送回のゲストは、シンガーソングライターの大黒摩季さん。自分時間「my time」にまつわる物語をひも解いていきます。
◆歌詞に自分自身の葛藤を落とし込む
チャンカワイ:僕ね、お姉ちゃんのアルバムを引っ張り出したなかで「DA・KA・RA」という曲が衝撃的だったんですよ。「〇〇だから〇〇」という歌詞のなかで、「恋だから 見つめない」ってありますよね。女心の恋とはどんな感じなんだろうと思いました。 大黒:要は、全部“裏腹”の気持ちですね。愛しているからこそすべては見せない。愛しているからこそ嘘をついてあげる。そうやってひっくり返っていることってよくあるじゃないですか。 チャンカワイ:今だからわかります! 大黒:自分のなかでギリギリのところで恋をしているってことですよね。 チャンカワイ:なるほど! 大黒:これ以上進んだら片思いなのか、友達に戻れないのか。そういう行ったり来たりを大ヒットさせたのが、「揺れる想い」のZARDの坂井泉水ですよ。 チャンカワイ:ホントだ! 大黒:泉水ちゃんは揺れている想いを書いた。彼女は「負けないで」と言うんですよね。私だったら「熱くなれ」と言って「勝つわよ」となる。熱くなれってことは、熱くなりたいけどなれないから、自分自身に言っているわけです。当時は自分自身が一番厄介な生き物で、自分のなかのジレンマがあった。私は歌に自分との問答を書いたんですよ。 チャンカワイ:すごいなあ。 大黒:今思えば、20代で書いたんだから“おませ”よね。当時は生き急いでいたし、自分のことをもっと知りたかったから。