桜島で「入坑式」実証実験 鹿児島県
鹿児島放送
鹿児島のシンボル桜島で、全国初の取り組みです。マグマの動きなどを観測する坑道を使った、ある実証実験が始まりました。 【山崎リポート】 「観測坑道の中に来ています。坑道の中を進んでいくと少しひんやりしています。この中で今回貯蔵されるのが、焼酎なんです」 桜島で始まったのは、鹿児島が誇る焼酎を国の観測坑道に1年貯蔵し、味わいや香りの変化を検証する実証実験です。 県酒造組合や鹿児島大学など4つの機関が連携して取り組む試みで、焼酎のPRや桜島のイメージアップ、土砂災害対策として行われる砂防事業の理解促進を目指します。 12日は入坑式が行われ、県内の酒造会社の関係者たちが合わせて312本の焼酎を貯蔵しました。 今回焼酎が貯蔵されるのは、桜島の南東部に位置する「桜島有村観測坑道」。 山体の膨張や傾きなどを観測する機器が設置されていて、桜島の火山活動の観測が行われています。 坑道の中は低温で湿度が高く、静かな環境であるため、味がまろやかになることが期待されると言います。火山の観測坑道で焼酎を貯蔵するのは、全国初の取り組みだということです。 【本坊酒造・坊昌嗣常務取締役】 「こういう環境って実際人工的に作れるものじゃないでしょうし、いろんな期待をもってこの1年後のまた11月のこの時期だと思うんですが、期待したいなと思っております」 【天星酒造・坪山聖子さん】 「ユネスコの無形文化財のお話もありますので日本のみならず、いろんな国に広まっていけばいいなという思いがあります」 貯蔵された焼酎は、1年後、味や香りの評価をした上でイベントなどで活用される予定です。 ※山崎リポートのさきは「たつさき」