フジ裏番組でWS再放送は「DeNAの下克上だったから……」 某球団の不振も影響? “日本シリーズ出禁”は「骨抜き」の声も
ヤクルトは来季も苦戦必至
さらに、同関係者はヤクルトの現在のチーム状況も遠因に挙げる。ヤクルトは今季まで2年連続5位と不振だ。去就が微妙だった高津臣吾監督は契約を1年だけ延長。現状では来季も苦戦必至で、オフには村上宗隆内野手のポスティングシステムによるメジャー移籍が取り沙汰される。 「来年以降も戦力的に厳しいことが分かっているだけに、ヤクルトが数年は日本シリーズには出てこないという見込みの下、CXがWS再放送に踏み切った部分もあるかもしれませんね」 平均視聴率を見ると、WS第1戦は土曜日の午前9時過ぎのプレーボールで、個人視聴率7.1%、世帯視聴率12.7%と高い数字をたたき出した(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。翌日曜日の第2戦は個人8.1%、世帯13.9%とさらに伸ばしている。 一方で日本シリーズは第1戦が個人6.5%、世帯10.5%、第2戦は個人4.2%、世帯6.9%とゴールデンタイムに重なっていてもWSに完敗を喫した。 その裏番組で、ダイジェストで再放送したWSは第1戦が2時間枠で個人4.9%、世帯8.1%、衆院選特番との兼ね合いで1時間枠だった第2戦は個人3.5%、世帯5.6%と結果が分かっていても日本シリーズに迫る数字を出した。シリーズ開幕前の小久保裕紀監督の「WSとかぶるので注目度も分散されがち」との不安が的中する結果となった。
ギクシャクしても視聴率優先
巨人の長嶋茂雄監督と、ダイエー(現ソフトバンク)の王貞治監督による「夢のON対決」が注目された2000年ぐらいまでなら、日本シリーズはキラーコンテンツだった。その後、巨人戦が地上波から消え、推しのスポーツや趣味が多様化した時代にプロ野球はオンリーワンの競技としての地位を失う。超一流のNPB選手がメジャーを目指して海を渡った流れが拍車をかけ、日本シリーズの価値は低下するしかなかった。 「日本シリーズの放映権がドル箱だった時代なら各局がNPBに配慮して、WSを再放送することなどはなかったと思います。今は隆盛を誇った時代の価値がないため、たとえNPBとの関係がギクシャクして来年以降の日本シリーズの放映権取得に支障を来したとしても、目先の視聴率を優先してしまおうとしたのではないでしょうか」(前出の関係者) 毎日新聞の記事中で紹介された「スポンサーを含めて、日本の野球界全体で日本一を決める試合を行っている裏に、わざわざWSの番組をぶつけてくるのはおかしい」というNPB幹部の言葉もむなしく聞こえる。