昭和レトロな道具収集、保管へ 長野県松本市の旧山辺学校校舎
松本市立博物館分館で県宝の旧山辺学校校舎(里山辺)は、昭和初期から中期までの生活道具の収集を計画している。年月が経過して、その頃の道具が失われつつある時代となり、後世に伝えるため保存・保管の必要性を考えてだ。 「昭和レトロ」という言葉を例に出して、同施設の学芸員・大島浩さんは「若い人には新鮮で、年配の人には懐かしく、収集テーマとして面白い」と語る。集める具体的な物として、脚付きの家具調テレビや足踏みミシン、時間の経過ごとに表示板がめくれていく「パタパタ時計」などを挙げた。 計画が浮上した背景には、代替わりで家屋の取り壊しをする市民らから「父母が大切にしていた物の中に、貴重な品がないか調べてほしい」との依頼が増えていることがある。そのような依頼を受けると、学芸員が調査に行き、価値を調べる。その後、審査会を通して博物館資料として活用できそうな物に限り寄贈を受ける。 旧山辺学校校舎には、明治期くらいの農家の暮らしぶりが分かる生活道具の展示コーナーがある。大島さんは「それに加えて、昭和の息吹を感じられる道具で構成された展示コーナーが設けられれば」と構想を話す。 問い合わせは旧山辺学校校舎(電話0263・32・7602)へ。
市民タイムス