物価高で支持される「節約クリスマス」は新トレンドなのか…お下がりおもちゃに飾りなしケーキ
かつてない物価高で迎えることになった2024年のクリスマス。出費を抑えながらクリスマスを楽しむための取り組みが、企業などで催された。 【全画像を見る】「お下がりのおもちゃ」や「節約ケーキ」など全3枚。
「お下がりのおもちゃ」を交換し合う企業
「おもちゃって、値下げしないから助かります」(ランクアップ社員) 12月23日、東京・銀座の化粧品メーカー、ランクアップ社のオフィスでは、社員の子どもたちに向けた「クリスマスイベント」が催された。 絵本やぬいぐるみ、プラレール。オフィスの一室に集まったたくさんのおもちゃに、子どもたちが目を輝かせる。これらは、子どもがいる社員が持ち寄った、家庭で使わなくなったおもちゃや衣類だ。気に入ったものは全て無料で持ち帰ることができる。 子育て中の社員が約半数を占めるという同社が2023年から始めたイベントで、今年は約30人から物品の提供があった。荷物は事前にオフィスに郵送し、送料は会社が負担した。 3歳の息子を連れて出社した女性社員は、子どもが選んだブロックや磁石のおもちゃなどを譲り受けることにした。洋服も持ち帰るという。 「モノの値段が上がっているので、服やおもちゃをもらえるのはありがたい。クリスマスプレゼントは別途用意していますが、3000円くらいのものをネットで買いました。高価なものは祖父母に買ってもらえたら…」(女性社員) ランクアップの岩崎裕美子社長によると、もともと社員間で子ども服のお下がりをやり取りすることがあった。それならばとクリスマスに合わせて不要になったおもちゃの交換会を企画。好評を集めたため、今年も開催した。 岩崎社長も、息子が幼い頃に使っていた水鉄砲などを出品した。 「おもちゃってすぐに使わなくなるけど、もらってくれる人を探すのも大変。次に使う人に渡せるのは、経済的にも環境的にも良いこと」 と話す。
クリスマスケーキも「節約対応」
節約志向はクリスマスのケーキ選びにも影響を与えているようだ。 コンビニ大手のローソンは、物価高による消費の二極化に対応するため、2000円代の手ごろなケーキから1万円超のぜいたくなケーキまで取りそろえた。同社広報によると、今年、人気があったのは2000円台の手ごろでシンプルなケーキ。果物などが乗っておらず、消費者がデコレーションを楽しむ「シンプルショートケーキ」(税込2560円)、コンビニスイーツとして人気の「プレミアムロールケーキ」をクリスマス向けに5号相当の大きさにした商品(税込2400円)などが好評を得たという。 セブンイレブンも、「コスパ」を意識して3000円未満のケーキの品揃えを強化。毎年人気の「クリスマスかまくら」(税込3218円)は価格を据え置いた。9月~10月のネット予約で価格を割り引く「早割」が好評だったという。 ファミリーマートは、節約したい人に向けて一人当たりの予算を2000円代に抑えた組み合わせを紹介するなど、「節約」や「手軽」をキーワードに消費者の過ごし方に応じたクリスマス商品を提案した。
土屋咲花