採用した外国人をすぐに逃さない企業側の秘訣
その場合は特定技能ビザを取得すれば、期間よりも長く雇用することができます。 「都会への憧れを持つのは、日本人も外国人も同じです。技能実習生として3年間の研修を終え、特定技能ビザに切り替えて島を離れ、都会へ働きに行くことはある程度仕方がないと割り切っています。ただ、都会にはない石垣島の良さを思い出して、またミヤヒラで働きたいと思ってくれたら嬉しいです」と島尻常務は期待を込めて語っています。 「八重山地方でも多くの外国人を見かけるようになりました。都会に比べれば賃金的には不利な場合が多く、離島という生活環境も限られていますが、なぜミヤヒラで働きたいと思うのか、その理由を大切にしたいと考えています。時代は昔とは違いますので、ミヤヒラのやり方や考え方を理解してもらい、本人の希望に会社が柔軟に対応することで、外国の方に選んでもらえるようにしていきたい」と、先を見据えています。
■都会への転職意欲をどう落ち着かせるか 4人の技能実習生誰もが沖縄そばを気に入っており、「沖縄料理はミャンマー料理に似ていて相性がいい」と口を揃えて話しています。石垣島に来てから1年が経過しました。あと2年すれば特定技能に切り替え、転職も可能になりますが、4人全員が特定技能に移行した後も島に残りたいと話しています。 とはいえ、「ミャンマー人は定着率が高い」というわけではなさそうです。 石垣島から飛行機で約30分、宮古島を訪問した際、地元の人気レストランに入りました。そこで、とても日本語が上手なミャンマー人の店員が注文を取りました。
動きもテキパキとしており、来日して10年ぐらい経っているのかと思うほど気が利いていました。そこで「どこから転職してきたのか」と尋ねたところ、驚いたことに、来日してまだ半年だというのです。 さらに、なぜ宮古島のレストランを選んだのか理由を聞いてみたら、「国が大変な状況なので、とにかく日本に来たかった。兄が東京にいるし、いろいろ遊びたいこともあるので、1年のビザが切れたら東京に行く予定です。お店には内緒ですが……」と、人差し指を立てて口元に当てながら笑って答えてくれました。